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On the Production
by 井口健二
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■第91回
の続編では、脚本のジョール・スワッソンと、監督のクラウ
ディオ・ファーがすでに決定しているということだ。
そして、『ロード…』のオリジナルは、1989年にジョール
・シルヴァの製作、パトリック・スウェイジの主演で発表さ
れた作品だが、実はこのオリジナルは、当時はMGM傘下の
UAで製作されたもので、昨年のMGM買収の効果がいよい
よ現れて来ているようだ。
まあ、これらの作品はいずれも大作と呼べるものではない
が、それぞれオリジナルの製作当時は話題になったもので、
その続編が登場すればそれなりに話題にはなりそうだ。ただ
し今回の計画では、配給をコロムビアにするか、ホラーブラ
ンドのスクリーン・ジェムズにするか、あるいは直接DVD
での発売になるかは未定ということだ。
* *
続いては新技術の話題で、ドルビー研究所が新たに開発し
た3D上映システムの第1作として、ディズニーが今年11月
4日に全米公開する“Chicken Little”に採用されることが
発表された。
この新システムの詳細は明らかではないが、従来の赤青フ
ィルタを使用したものではないとされており、敢えてこのシ
ステムに対比されているということは、最近話題になってい
る琥珀と水色のフィルタを使うシステムの可能性もありそう
だ。またこのシステムは、専用のデジタル上映館で実施され
るもので、全米では25都市100館程度の上映になるようだ。
因に、現在の全米のデジタル上映館は80館程度と言われて
いるが、今回の上映はそれとは別に新規に設置される100館
で行われるもので、これにより全米のデジタル上映館の数が
一挙に2倍以上に増える勘定だそうだ。
一方、今回の“Chicken Little”の製作では、あらかじめ
2Dで製作されたCGIアニメーションを3D化したものと
いうことだが、この3D化に当ってはディズニーの要請に応
えてILMが技術協力をしたということだ。しかしそれは、
単なるポストプロの枠を超えて共同製作に近いものだったと
も言われている。ただし今回の3社間の契約は相互に排他的
なものではなく、今後はそれぞれの会社が開発した新技術は
独自に使用できるということだ。
まあ、具体的なシステムが判らないと正確なことは言えな
いが、これによって今までより多くの映画会社の3Dへの参
入が期待されているようだ。
最近の3D映画の制作システムでは、ソニーとジェームズ
・キャメロンが開発して“Ghost of the Abyss”やロベルト
・ロドリゲス監督の“Spy Kids 3-D”で採用されているもの
や、昨年の“The Polar Express”でIMAX社が開発した
システムが実用化されているが、今回はそれとは違う方面か
ら出てきたもので、新しい動きになるものだ。
ただし今回の技術では、実施は新規に設置されるデジタル
上映館に限るということで、日本では、新規のシステムとい
うことではなかなか採用が難しそうだ。今回のケースでは、
ドルビー研究所が直接働きかけるとなれば、それなりの動き
も出そうだが、1館でもいいから日本で採用されることを期
待したい。
* *
後は続報をまとめておこう。
1本目は、2003年3月15日付の第35回でも紹介した“The
Secret Life of Walter Mitty”(虹を掴む男)のリメイク
で、製作を担当するパラマウントから、主演にオーウェン・
ウィルスンを起用することが発表された。
このリメイクでは、当初はジム・キャリーの主演で、ニュ
ーラインでの製作が進められていたものだが、オリジナルを
製作したサミュエル・ゴールドウィンの子息で、リメイク権
を持つゴールドウィンJrとニューラインとの意見が相違し、
以前の紹介ではこの製作権がパラマウントに移されたことを
報告したものだった。
しかしその時、併せて報告されたスティーヴン・スピルバ
ーグの監督は結局実現しなかったもので、さらにキャリーの
出演もキャンセルとなっていた。そして現在は、リンゼイ・
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07月15日(金)
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