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On the Production
by 井口健二
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■第89回(前)
したために頓挫したという経緯があるようで、今回はその関
係修復の意味もあるようだ。
 ただしこの計画が進むと、前々回紹介したニューラインで
進められている“Rush Hour”の第3作の計画が実現不可能
になってしまうものだが、実は、前の情報ではジェフ・ネイ
ザンスンのアイデアが気に入っていると伝えられたクリス・
タッカーが、その後に契約を渋り出し、結局降板ということ
になっている。この事態にラトナーとしてはなす術が無く、
ニューラインはマーティン・ローレンスらに代役の交渉はし
ているようだが、当面製作は延期ということのようだ。これ
なら別の作品に行くのも仕方のないところだろう。
 なお“X-Men 3”の撮影は、オリジナルキャストの大半が
再結集し、ザック・ペン、サイモン・キンバーグの脚本によ
り、8月に開始されることになっている。
 それにしても、親友マイクル・ジャクスンの裁判が完全無
罪で終って、クリス・タッカーの気が変わるなんてことはな
いのかな。
        *         *
 お次は、2004年3月15日付の第59回で紹介した“The Fast
and the Furious 3”の情報で、監督を台湾出身のジャステ
ィン・リンが担当することが発表された。
 このシリーズでは、2001年公開の第1作はロブ・コーエン
監督、ポール・ウォーカー、ヴィン・ディーゼル、ミシェル
・ロドリゲスの共演で製作され、“2 Fast 2 Furious”と題
された2003年の第2作はジョン・シングルトン監督、ウォー
カー、タイリーズ、エヴァ・メンデスの共演で製作されたも
のだが、今回発表された第3作では、前作までのキャストは
誰一人出演せず、第1作以来の継続するスタッフキャストは
製作のニール・モリッツだけという状況で、物語のコンセプ
トだけが共通するシリーズがどれだけ通用するか、かなりの
ギャンブルと見られているようだ。
 なお物語は、以前に紹介したように東京を舞台にしたもの
で、違法なストリートレーシングを繰り返したためにアメリ
カを追われた若者が、ドリフトレースのメッカ東京に現れ、
ヘアピンやカーブの連続する東京の街で新たな挑戦を繰り広
げるというもの。前2作のレースは直線コースが主だったか
ら、これは確かに新たな挑戦になりそうだ。
 撮影は、この初秋からアジアとアメリカで行われるという
ことだが、さて警視庁がこのテーマでの映画撮影で、道路の
使用を許可するものか否か。まあ最後の手段は、似た街並の
別のアジアの都市で撮影することになるのだろうが、仕上が
りが楽しみだ。
 それと前2作は、いずれもの警察の潜入捜査が物語の背景
にあったが、今回もそれは踏襲されるのかどうか。そうなる
と警視庁の判断も微妙になってきそうだが、クリス・モーガ
ンの脚本は一体どうなっているのだろう。
 それから、第3作では前作までのキャストは誰一人出演し
ないということだが、第2作には日系女優のデヴォン青木が
出演していたもので、折角日本が舞台なら、彼女ぐらいは繋
ぎの意味で登場させてもいいと思うのだが、キャスティング
はまだ未発表のようだ。
 因にリン監督は、タッチストーンで“Annapolis”という
作品の監督を終えている他、ユニヴァーサルで進められてい
る韓国映画『オールドボーイ』のリメイクの監督も担当して
いるということだ。
        *         *
 今回は第3作の話題が多いが、その最後はフランスから、
2002年製作の第2作『ミッション・クレオパトラ』が日本で
も公開された人気コミックス“Asterix le Gaulois”の映画
シリーズ第3弾として、“Asterix aux Jeux Olympiques”
(Asterix at the Olympic Games)の計画が発表された。 
 この計画については、2003年6月15日付第41回で紹介して
いるように、前2作の国内での大ヒットを受けてフランスの
パテ社が計画を発表していたものだが、実はこのとき用意さ
れた映画化の脚本が原作の権利者の気に入らず、計画を放棄
せざるを得ない状況に陥っていた。

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06月15日(水)
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