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On the Production
by 井口健二
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■第88回
ージ・ルーカスとスティーヴン・スピルバーグが了承したと
の発表があった。また同社では、ハリスン・フォードに対し
ても脚本の了承を得る方向で進めているということだが、実
はフォードはまだ脚本を読んでいないということだ。
因にネイザンスンの脚本については、前回の“Rush Hour
3”の記事の中でも紹介したが、まさかこんなに速く動くと
は思わなかった。ただし、ここで“Indy 4”の製作が始まる
と“Rush Hour 3”の製作に支障を来すことになるのだが、
実はスピルバーグには1972年のミュンヘン・オリンピックの
映画と、リンカーンの伝記映画の計画もあり、このままフォ
ードが了承しても直ぐにということにはならないようだ。
もう1本はドリームワークスから、“The Ring 3”の計画
が発表されている。この計画は製作者のウォルター・F・パ
ークスが発表したものだが、実は脚本家も決っておらず、ま
た製作規模も前2作より縮小して、ナオミ・ワッツの出演も
計画されていないというものだ。つまりケラー母子の物語は
一旦終了して、呪いのヴィデオテープを巡る新たな物語を作
る計画のようだ。
それはそれでいいと思うのだが、『リング』に関しては、
鈴木光司の原作には『らせん』と『ループ』の続編があり、
この内『らせん』は日本版が映画化されたが、『ループ』に
ついては到底日本映画のスケールでは無理な作品だった。そ
こで『リング』のハリウッド版が決ったときには、なんとか
『ループ』までと思ったものだが、この状況では、その期待
には応えてもらえないのだろうか。
* *
続編の情報はこれくらいにして、以下は通常の製作情報を
紹介しよう。
まずは、これも続編と言えばそんな感じでもあるが、俳優
のジョニー・デップが先日亡くなった作家ハンター・S・ト
ムプソン原作の“The Rum Diary”の映画化に乗り出すこと
になった。
この計画は、1998年に公開された“Fear and Loathing in
Las Vegas”でトムプソン原作に登場する作者自身の役を演
じたデップが、自ら映画化権を獲得して製作を希望していた
もので、すでにニック・ノルティやベネチオ・デル・トロら
の協力も取り付け、マイクル・トーマスによる脚色も進めら
れていた。そして今回は、監督に“The Killing Fields”な
どの脚本でも知られるブルース・ロビンソンが決定し、さら
に“The Butterfly Effect”を手掛けたフィルム・エンジン
の資金提供で製作が進められることになったものだ。
内容は、1950年代末頃のプエルトリコを舞台に、酒浸りの
ジャーナリストの生活を綴ったもので、デップが再びこの主
人公に挑戦することになっている。因にデップは、トムプソ
ンの死去に当っては葬儀で友人代表としての挨拶をしたり、
これから行われる散骨の儀式にも中心的に行動するなど、作
者との交流の深さを見せているが、残念なのは、彼の生前に
この映画化が実現しなかったことだろう。
また監督のロビンソンとも、過去4度のアプローチの末、
ようやく本作の監督に招請できたということで、デップにと
っては本望の作品と言えそうだ。
なお、今後のデップの出演作品では、“Charlie and the
Chocolate Factory”が7月15日、2004年1月15日付第55回
などで紹介した“The Libertine”が9月16日にそれぞれ全
米公開される他、9月23日には声優を務めたクレイアニメー
ション作品“Corpse Bride”の公開も行われる。そして現在
は、“Pirates of the Caribbean”の2本の続編を撮影中だ
が、この撮影が終りしだい、今回の“The Rum Diary”の撮
影を開始する意向のようだ。
* *
お次は、ホラー専科のジョン・カーペンター監督が、次回
作の企画を映画とビデオゲームの両方で進めていることが発
表された。
この計画は“Psychopath”と題されているもので、物語は
元CIAの捜査官が連続殺人鬼の捜査のために現場に復帰す
るが、自らの…というもの。そしてこの計画では、ゲームと
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06月01日(水)
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