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On the Production
by 井口健二
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■第82回
イアン・マッケラン、ブラッド・レンフロ共演による“Apt
Pupil”(ゴールデン・ボーイ)などのようにダークな心理
描写を扱った作品もあり、本作はその路線での作品というこ
とになりそうだ。
なお、本作は実話に基づく作品ということで、映画化には
慎重を期す必要があり、製作には記事を書いたバカラックも
コンサルタントとして参加することになっている。
一方、シンガー監督には、2004年3月15日付の第59回で紹
介した1970年代SF映画のリメイク“Logan's Run”の計画
もまだ健在のようだ。
* *
断じて、アイザック・アジモフ原作ではない“I,Robot”
を発表したアレックス・プロイアスの監督で、“Knowing”
と題された超常現象もののスリラーが計画されている。
この作品については、2003年7月15日付の第43回で一度紹
介しているが、ライン・ピアソンという小説家がオリジナル
脚本を書き下ろしたもので、内容は、過去から未来に渡る恐
ろしげなものが、一杯に詰まったタイムカプセルを開けてし
まった男の物語ということになっている。
そしてこの計画は、実は数年前からコロムビア傘下のエス
ケープ・アーチスツで進められていたもので、2002年にロバ
ート・レッドフォードが主演した『ラスト・キャッスル』を
手掛けたロッド・ルーリーや、『ドニー・ダーコ』のリチャ
ード・ケリーといった監督たちが計画に参加していた。しか
しなかなか実現に至らず、ついにコロムビアは手を引くこと
になってしまった。
従って、現在はエスケープ・アーチスツが単独で計画を進
めているものだが、同社ではプロイアスを監督に起用すると
共に、脚本のリライトに、スタン・ウィンストン・スタジオ
のスタッフで、『ジュラシック・パーク』などの製作コーデ
ィネーターを務めたスタイルズ・ホワイトと、その妻のジュ
リエット・スノーデンのコンビを起用して、映画化の実現を
目指すことにしたものだ。なお夫妻は、今年公開されるホラ
ー作品で“The Boogeyman”の脚本も手掛けている。
因に本作の配給は、報道の時点では未定ということだが、
エスケープ・アーチスツ製作の近作の配給はパラマウントと
ソニーが行っており、配給がソニー=コロムビアに戻る可能
性もあるようだ。
* *
ディズニー・アニメーションから、“Peter Pan”(ピー
ター・パン)の前日譚を映画化する計画が発表されている。
計画は、ピュリッツァー賞受賞コラムニストで、2002年に
ティム・アレンとレネ・ルッソの共演、バリー・ソネンフェ
ルド監督で映画化された“Big Trouble”などのユーモア小
説の作家でもあるデイヴ・バリーと、“The Diary of Ellen
Rimbauer”などの作品で知られるサスペンス作家リドリー
・ピアスンが共同執筆した“Peter and the Starcatchers”
という子供向けのベストセラー本を映画化するもので、この
原作本は、昨年8月にディズニーの出版部門から刊行された
ということだ。
本の内容は、ジェームズ・バリーの原作からヒントを得て
創作されたもので、8歳のピーターに率いられてネヴァーラ
ンドと呼ばれる船で暮らす孤児の少年たちの冒険を描いてい
る。そしてある日、ピーターと仲間のモリーは、魔法の星の
粉の入ったトランクが、海賊黒ひげの手に落ちる前に取り戻
さなければならなくなる、というお話が展開されるものだ。
なお今回の計画では、監督や脚本家などのスタッフはまだ
発表されていないが、製作は3D−CGIによる長編アニメ
ーションで行われることになっている。
ディズニーからは、一昨年に続編の『ピーター・パン2/
ネバーランドの秘密』が公開されているが、今回は前日譚と
は言ってもちょっと正統派とは異なるようで、その辺がどう
なるかも楽しみだ。
* *
後は短いニュースを2つ紹介しておこう。
まずは、『エイリアンvsプレデター』を発表したポール・
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03月01日(火)
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