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On the Production
by 井口健二
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■第75回
 またこの続編で、主人公は2001年9月11日にNYに居たと
いう設定になっており、以後の国際情勢を取り入れた現代化
も行われているということだ。
 撮影時期などは未定だが、MGMとしては予定されていた
“Bond 21”の替りに、これも期待できる作品を手に入れた
ことになりそうだ。
        *         *
 続編の流れで、11月27日に日米同時公開された“Saw”の
続編の計画が発表されている。計画しているのは、オリジナ
ルのアメリカ配給を手掛けたライオンズ・ゲイトと、オリジ
ナルの製作を担当したツイステッド・ピクチャーズで、計画
では、2005年2月に撮影を開始して、10月28日の全米公開を
目指すということだ。
 ただしこの続編では、オリジナルを手掛けた脚本、主演の
リー・ワネルと監督のジェームズ・ウォンは製作総指揮の肩
書きになっており、彼らが直接映画に関わるものではない。
つまり、オリジナルのアイデアから、別の脚本家及び監督が
続編を作るということで、ここにプロフェッショナルな脚本
家が入ると、それなりの作品の誕生も期待されるが、オリジ
ナルの新鮮な感覚が再現できるかというと、また別の話にな
るものだ。
 まあ、よく似たケースでは1999年の『ブレア・ウィッチ・
プロジェクト』に対して翌年続編が作られているが、この時
はいろいろ捻りは加えたものの、結局オリジナルの感覚とは
異なるものになってしまって、ファンの賛同は得られなかっ
た。今回は、オリジナルのストーリー性がしっかりしている
ので、あまり変な捻りを加える必要はないが、どんな続編が
作られるか楽しみだ。
 ただし、続編の脚本家も監督もまだ決まっていないという
ことで、そんなことで大丈夫かという気はする。
 因に、ワネルとウォンの2人には、すでにユニヴァーサル
で、“Shhh”というスリラー作品の計画が進行中だそうで、
もはや続編に関われる状態ではなかったようだ。
        *         *
 またまたフィリップ・K・ディック原作の映画化で、今回
は1954年4月号のIf誌に発表された“The Golden Man”と
いう作品が、“Next”という題名で、リー・タマホリ監督、
ニコラス・ケイジの製作、主演により計画されている。
 この作品は、核戦争後の世界を舞台にしたもので、放射能
の影響で誕生したミュータントの男が、超能力によって普通
の人々を支配するようになるが…というお話。ディック本人
の言葉によると、ミュータントという存在が必ずしも恐ろし
いものではないけれども、同時に人類とは相容れない存在で
あることを描きたかった作品だそうだ。
 そしてこの原作から、1990年の『トータル・リコール』を
手掛けたゲイリー・ゴールドマンが脚色を担当している。因
に『トータル・リコール』はダン・オバノンが最初の脚本を
手掛けたものだが、その後幾多の紆余曲折があり、その中に
いろいろ登場する脚本家の一人ということだ。
 なお、ディックの原作では、1982年の『ブレード・ランナ
ー』以降、いろいろなSFアクション映画が製作されている
が、特に最近では、フォックス製作の『マイノリティ・リポ
ート』、パラマウント製作の『ペイチェック』と各社で大型
予算の大作映画が作られており、この後にも、キアヌ・リー
ヴス主演で、ワーナー製作の“A Scanner Darkly”も控えて
いる。今回の計画も、その大作路線の一角を担うものという
ことで、製作はレヴォルーション。ジョー・ロス主宰の同社
はソニー傘下の会社で、いよいよ大手各社の揃い踏みという
感じになってきたようだ。
        *         *
 ヴィデオゲームの映画化の情報で、コナミが発売している
ホラーアクション“Silent Hill”を実写で映画化する計画
が発表されている。
 この計画は、コナミと、『バイオハザード』を手掛けたプ
ロデューサーのサミュエル・ハディダが進めているもので、
すでに脚本を『パルプ・フィクション』のロジャー・アヴェ

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11月15日(月)
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