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On the Production
by 井口健二
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■第74回
人間に関わるドラマを描くことだったそうで、この作品でも
主人公は、政府御用達の殺し屋になってしまう以前の、真の
姿を見つけだすことが描かれているということだ。
製作は、撮影完了したロブ・コーエン監督の“Stealth”
や、続編の“XXX: State of the Union”も手掛けるニール
・モリッツ。監督は未定。なお、ハードウィックは映画化の
監督にはタッチしない計画のようだが、続編執筆の契約は結
んでいるということで、さらにシリーズ化も検討されている
そうだ。
* *
8月1日付第58回で紹介したProject Greenlight(PG)
から、もう1本の映画化の計画が発表された。
この計画は、今年の最終選考に残った3本の内の1本で、
マーシャル・モーズリーが応募した“Wild Card”という脚
本を映画化するもの。内容は、犯罪者のカップルが大きな仕
事を計画するが、その計画が徐々に崩壊して行く過程の恐怖
を描いたものだそうだ。
そしてこの計画では、PGのコンサルタントも務めるウェ
ス・クレイヴンが、脚本の手直しと監督を担当することにな
っているが、実はこの計画は、PGの優勝者が決まった後の
レセプションの席で、クレイヴンからモーズリーに伝えられ
たということで、優勝を逃して消沈していたモーズリーにと
っては、途方もない谷と山が立て続けにやってきた気分だっ
たと語っていたそうだ。
なお、PGの規定では優勝作品の映画化は、同時に行われ
る監督コンテストの受賞者によって行われることになってい
るが、今回は優勝作ではないので、クレイヴンの監督が認め
られるようだ。因に、優勝作のパトリック・メルトンとマー
カス・ダンストンによる“Feast”は、10月18日にディメン
ション向けの製作が開始されたということだ。
* *
ジョン・ウーの計画がまた2本発表されている。
まずは、玩具のマテル社から発売されていたアクション・
フィギア“Masters of the Universe”のキャラクターに基
づく、“He-Man”の物語を実写で映画化する計画が、ウーの
製作監督で進められることになった。
このアクション・フィギアのキャラクターに基づく作品で
は、1983年からテレビのアニメシリーズが展開されており、
また、1987年にはドルフ・ラングレンの主人公He-Man役で、
フランク・ランジェラが敵役スケルターを演じた“Masters
of the Universe”という作品が、キャノン・フィルムスで
製作されたこともある。
そして今回の計画では、この脚本を『スモール・ソルジャ
ーズ』や『マウスハント』のアダム・リフキンが担当すると
いうことだ。因に物語は、地球人とエターニアンの混血児で
プリンス・アダムの名の許に生まれた主人公が、18歳の時に
グレイスカル城に赴いてスーパーパワーを得、He-Manとなっ
てスケルターらとの闘いを繰り広げるというもの。典型的な
ヒーローものと呼べそうな作品だ。
キャスティングは未定だが、製作はフォックス2000で行わ
れることになっている。なお、オリジナルのアクション・フ
ィギアは、1987年に製造終了されているそうだ。
* *
そしてもう1本は、1970年にアラン・ドロン主演で映画化
されたフィルム・ノアール作品“Le Cercle Rouge”(邦題
仁義)のアメリカ版リメイクが、“The Red Circle”の題名
で計画されている。
この作品は、ジャン・ピエール=メルヴィル監督が、ドロ
ンと共に、ジャン=マリア・ヴォロンテ、アンドレ・ブール
ヴィル、イヴ・モンタンらのオールスターを集めて製作した
もので、特にドロンとモンタンの初共演でも話題になった。
お話は、刑期を終えて出所したばかりの主人公(ドロン)
と、同じ日に脱獄を果たした男(ヴォロンテ)が、モンタン
の手引きで手を組み、宝石強奪を計画するというもの。今の
時期だと、何となく『オーシャンズ11』に似た感じの作品に
なってしまいそうだが、70年作では、彼らを追うブールヴィ
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11月01日(月)
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