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On the Production
by 井口健二
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■第73回
 ということで、80年を越えるRin Tin Tinの歴史というこ
とになるが、エメット/ファーラは年齢的には最初のテレビ
シリーズには間に合っていないと思われ、さてどんな点に興
味を持って映画化を進めようとしているのだろうか。
        *         *
 リュック・ベッソン主宰のエウロパコープがラテンアメリ
カに進出し、ブラジルの映画会社との共同製作に乗り出すこ
とが発表された。
 発表された作品は“Federal”という題名で、2001年にブ
ラジルで開催されたサンダンス・スクリーンライター・ラボ
に提出されたエリック・デ・カストロの作品を映画化するも
の。内容は、首都ブラジリアを舞台に麻薬王を追い詰めて行
く警察の姿を描いたものだそうだ。なおカストロは、第2次
大戦でブラジルが演じた役割を描いた2000年製作のドキュメ
ンタリー作品“Hit Them Hard”などを手掛けており、今回
は劇映画監督のデビューも果たすとされている。
 そしてこの映画の製作で、エウロパは総製作費200万ドル
の半額を提供するということだ。出演者には、全てブラジル
人のセルトン・メロ、カルロス・アルベルト・リセリ、エデ
ュアルド・デュセックらが起用され、撮影は来年の半ばごろ
に開始されて、公開は2006年の予定になっている。
 因に、2000年に設立されたエウロパコープは、ヨーロッパ
やアジア、極東地区などで30本の映画を製作し、毎年の収益
は1億ドルに達しているということだ。そして現在は、製作
費8000万ドルを掛けたアニメーション作品の“Arthur”や、
ペネロペ・クルス、サルマ・ハエック共演の“Bandidas”、
ジェット・リー、ボブ・ホスキンス、モーガン・フリーマン
共演で、ルイス・レターリア監督の“Danny the Dog”、ガ
イ・リッチー監督の“Revolver”、トミー・リー・ジョーン
ズが監督デビューする“The Three Burials of Melquiades
Estrada”などの製作が進んでいるそうだ。
        *         *
 “1001 Movies You Must See Before You Die”などの著
作もある映画研究者のスティーヴン・シュナイダーと、脚本
家のデニス・バートックが、ホラー、ファンタシー、SFな
どのジャンル映画のリメイクを専門としたファイブ・ウィン
ドウズというプロダクションの設立を発表し、その製作計画
が公表された。
 それによると、まず1作目に挙げられているのが、1973年
製作のフランスのアニメーション“Fantastic Planet”。ル
ネ・ラルー監督のカンヌ特別審査員賞受賞作を、実写によっ
てリメイクしようとする計画のようだ。
 お次は、1972年イギリス製作の“The Asphyx”。人が死ぬ
瞬間に身体から離れて行く魂を撮影することに成功した男の
物語。なお、このオリジナルではトッドAO35を使用した
撮影を、『アラビアのロレンス』でオスカー受賞のフレディ
・ヤングが担当しており、映像が美しいと評価されていた。
 そしてもう1本は“Blood on Satan's Claw”。1970年の
イギリス映画で、村に住む子供たちが徐々に悪魔の申し子に
なって行くという物語。
 最近CGIが手軽になって、誰でも何かできそうな雰囲気
になっているせいか、往年のファンタシー映画を最新技術で
リメイクしようという動きがいろいろ出てきている。これも
その一つのようだが、それにしても“La Planete Sauvage”
の実写版とは…。実はこのオリジナルには、パリまで行って
見たという個人的な思い入れがあり、またこのアニメーショ
ンには、ローラン・トポルの絵も含めての作品という認識も
あるので、ちょっと複雑な心境というところだ。
        *         *        
 後半は短いニュースをまとめておこう。
 『アラモ』などのビリー・ボブ・ソーントンと、ミラ・ジ
ョヴォヴィッチの共演で、“Fade Out”というスリラー作品
が計画されている。お話は、ソーントン扮する脚本家が、ジ
ョヴォヴィッチ扮する妻が浮気をしているものと信じ込み、

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10月15日(金)
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