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On the Production
by 井口健二
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■第72回
デニス・ホッパーを迎えたい意向だったようで、その希望は
叶ったのだろうか。
また、本作の製作費には1500万ドルが用意されているとい
うことだが、このシリーズの第1作は14万ドルの製作費で、
世界中から2000万ドルを稼ぎだし、第2作は120万ドルの製
作費で4000万ドルを稼いだそうだ。
ところでユニヴァーサルでは、今年の春にはリメイク版の
“Dawn of the Dead”を配給、また9月第4週にはパロディ
版の“Shaun of the Dead”も配給しており、今年に入って
2本のロメロ=ゾンビ関連の作品を配給していた。そして今
回の契約では、ついに本家の作品を手に入れることになった
ものだ。なおリメイク版については、僕はちょっと首を傾げ
る作品だったが、パロディ版の評価はかなり高く、期待でき
るようだ。
* *
『ヴィレッジ』に続いて、ピーター・ジャクスン監督の新
作“King Kong”に出演しているオスカー俳優エイドリアン
・ブロディが、“Truth, Justice and the American Way”
という作品に主演する計画が発表された。
この題名を見ただけでお判りの方も多いと思うが、これは
テレビ版『スーパーマン』の巻頭のナレーションの一部で、
日本語版では「正義と真実を守るため」としか訳されなかっ
たが、実は原語では、「真実」の後に「American Way=アメ
リカのやり方」という言葉が続いていたものだ。
そして今回の作品は、このテレビ版『スーパーマン』に主
演した俳優ジョージ・リーヴスにスポットライトを当てたも
ので、特に1959年自殺したリーヴスが、彼自身をスターダム
に押し上げたスーパーヒーローから受けた様々な影響や、彼
が感じていた重圧が検証されることになるようだ。
ポール・バーンバウムの脚本から、スチーヴン・キング原
作のテレビシリーズ“Golden Years”などを手掛けたアレン
・コウルターが監督する作品で、製作は『0012捕虜収容所』
のスター=ボブ・クレインの後半生を追った“Auto Focus”
(ボブ・クレイン)のフォーカス・フィーチャーズ。
なおブロディが演じるのは、リーヴスの役ではなく、彼の
自殺事件の捜査に当った刑事の役だそうだ。
* *
粘土を使ったクレイメーションで一時代を築いたウィル・
ヴィントンの流れを汲むアニメーションハウス=ヴィントン
・スタジオに、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』を手
掛けたヘンリー・セリック監督が参加し、ニール・ゲイマン
原作のヒューゴー賞受賞作“Coraline”の映画化を進めるこ
とが発表された。
この原作は2002年に発行された児童書で、主人公の少女が
引っ越してきた新しい家の秘密の扉を潜り抜けると、そこに
は別世界が開けていて、その世界で彼女はヒロインになる資
質を備えていたというもの。そしてこの映画化では、当初は
実写での製作が計画されていたが、セリックの参加でアニメ
ーションによる製作が検討され、最終的にその方針に決まっ
たということだ。
なお、セリックはウェス・アンダースン監督の実写とアニ
メーションの合成作品“The Life Aquatic”のアニメーショ
ン監督を担当し終えたところで、この後には彼自身が監督す
る短編CG作品の“Moongirl”という作品の準備が進められ
ているそうだ。ということは、現在ヴィントン・スタジオで
進められているティム・バートン製作の“Corpse Bride”に
は、セリックの参加はないということだろうか。
* *
古代エジプトの女神イシスが着けていたブレスレットが、
現代アメリカの10代の少女に神秘のパワーをもたらすという
“Legend of Isis”の映画化が、パラマウント傘下のグラム
ネット・プロダクションで進められている。
この作品は、ダーレン・デイヴィス原作のコミックスシリ
ーズに基づくものだが、実は今年21歳のアリ・ラッセルとい
うUCLAの脚本家クラスを出たばかりの女性が、女性版の
ピーター・パーカーのような物語を探していたところ、この
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10月01日(金)
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