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On the Production
by 井口健二
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■第70回
人的被害を最小限に食い止めようとする人々の行動を描いて
いる。そしてこの作品は、最初に黒澤明監督がハリウッドで
の映画化を目指したものの、トラブルで実現せず、その後に
脚本が改作されて85年の映画になっているが、アンドレイ・
コンチャロフスキーが監督したこの作品もかなりの評価を得
ているものだ。
 今回は、その作品の新たな脚本の執筆を“Constantine”
などのマーク・ボマックが契約したもので、彼は先にフォッ
クスで“Die Hard 4”の脚本を契約しており、それに続いて
本作の脚色を進めるということだ。
 なお85年作品には、はっきりと黒澤明の脚本に基づくと記
載されていたものだが、今回の報道で黒澤監督の名前は一切
紹介されておらず、その辺がちょっと気になる。もっとも、
今回の報道では、85年作品についても触れられていないが、
内容はコントロールを失った機関車を中心にした物語とされ
ており、同じ原作によることは間違いないようだ。
 また、ボマックはディズニーでジェリー・ブラッカイマー
製作による“Unnatural History”というアクション映画の
脚本のリライトも契約している。この作品は、自然史博物館
に閉じ込められた家族が、夜になって生命の甦った展示品の
怪物たちと、生き延びるための闘いを繰り広げるというもの
で、ちょっと気になる作品になりそうだ。
        *         *
 前日付の『ブラインド・ホライズン』の記事でも紹介して
いるランドール・エメットとジョージ・ファーラが主宰して
いるエメット/ファーラ・プロダクションから、新たに3本
の脚本を契約したことが発表された。
 1本目は、ローデリック&ブルース・テイラーという脚本
家チームが執筆したもので“Love and Hate”。フロリダの
南部を舞台に、女性警官が幼馴染みで、死者から甦った友人
につきまとわれるというお話。すでにスティーヴン・ローリ
ーによるリライトも行われ、製作準備も進んでいるようだ。
 2本目は、マット・ライリー執筆の“Altitude Rush”と
いう脚本で、アメリカ大統領を脅迫する計画を阻止しようと
する友人グループの行動を追ったもの。
 そして3本目は、スチュワート・ヘイゼルダインが執筆し
た“Underground”という脚本で、退役軍人の主人公がロン
ドンの地下鉄を襲う洪水から、テロリストを守らなければな
らなくなるというもの。経緯がよく判らないが、アクション
映画にはなりそうだ。
 この他、エメット/ファーラでは、ジャスティン・ティバ
ーレイクとモーガン・フリーマンの主演による“Edison”と
いう作品の撮影が完了しており、また、MGM/ディメンシ
ョン製作の“The Amityvill Horror”が撮影中、さらにアル
・パチーノの主演による“88 Minutes”という作品が準備中
とのことだ。
        *         *
 続報で、2002年10月15日付の第25回で報告したトニー・ス
コット監督による“The Warriors”(ウォリアーズ)のリメ
イク計画で、脚本に、テレビシリーズの“The Sopranos”で
4度のエミー賞候補に挙げられたテレンス・ウィンターの起
用が発表された。
 この計画は、1979年に製作されたウォルター・ヒル監督の
同名の作品を、21世紀にマッチするようにアップデートして
リメイクするもので、当初用意されたジョン・グレン、トラ
ヴィス・ライトによる脚本から、ジョエル・ワイマンがリラ
イトしていることも報告されていた。その脚本に、さらにリ
ライトが加えられるもので、どのような問題が生じているか
は不明だが、そろそろ完成を期待したいところだ。
 なおウィンターは、“The Sopranos”では製作総指揮も務
めており、今年のエミー賞には彼が担当した脚本2作がノミ
ネートされている他、昨年以前にも2作で候補に挙げられた
ことがあるということだが、実はこのウィンターは、1995年
から独立系で放送された“Xena: Warrior Princess”の脚本
も担当していたということだ。
 この作品は、“Hercules: The Legendary Journeys”から

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09月01日(水)
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