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On the Production
by 井口健二
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■第69回
る計画が発表された。
 このおもちゃは、自動車やトラック、飛行機や戦車などの
原形が、本体の一部を捻ることによってロボットに変身する
というもので、元々はアメリカのハスボロ社が開発したもの
のようだが、日本のタカラが製造を開始してから、瞬く間に
世界中を席巻し、80年代にはコミックブックのシリーズやテ
レビ番組、長編アニメーション映画なども作られていた。
 なお、1986年に製作されたアニメーション映画では、登場
キャラクターの声を、オースン・ウェルズ、ロバート・スタ
ック、レナード・ニモイらが当てていたということだ。
 その玩具の映画を、今度は実写版で製作するというものだ
が、実は昨年行われたこの映画化権の契約交渉の席には、ド
リームワークスを始め、ニューライン、フォックス傘下のニ
ュー・リジェンシー、パラマウントなどが集まり、このうち
早期に撤退したパラマウントをドリームワークスが取り込ん
で、最終的な映画化権を獲得したというものだ。
 そして今回は、その権利に基づく映画製作の発表が行われ
たものだが、この製作には、スティーヴン・スピルバーグが
製作総指揮でドリームワークスを代表するほか、コミックス
の映画化“Constantine”を手掛けたロレンツォ・デ・ボナ
ヴェンチュラ、『リーグ・オブ・レジェンド』のドン・マー
フィ、『Xメン』のトム・デサントという錚々たる顔触れが
製作者として名を連ねている。
 つまりこれだけの顔触れが、この玩具に関して何らかの思
い入れがあるということのようだが、特にスピルバーグは、
一旦は引いたパラマウントを協力者に招き入れて権利獲得を
強く働きかけたということで、相当のものがありそうだ。
 具体的なストーリーは、キャラクターが善と悪に分かれて
戦うという基本設定以外は明らかでないが、公開は2006年夏
を目指しているということで、後は、船頭多くして…になら
ないことを祈るだけのようだ。
        *         *
 ついでにもう一つ玩具?の話題で、1982年にリチャード・
ドナー監督、リチャード・プライヤーの主演で映画化された
“The Toy”(おもちゃがくれた愛)のリメイクが計画され
ている。
 今回の計画は、実はシド・ガニスという製作者が手に入れ
た“Jack and Jay”という脚本に端を発している。この脚本
は、テレビ脚本家チームのボブ・バーンズとマイクル・ウェ
アが執筆し、ガニスは数年前にこれを手に入れたものだが、
最近になってこの脚本をコロムビアの首脳に見せたところ、
「これは“The Toy”だ。ぜひ“The Toy”として映画化して
ほしい」と言われたということだ。
 そこでバーンズとウェアには、改めて脚本の執筆が依頼さ
れているということだが、実は82年のドナー作品は、さらに
1976年製作のフランス映画“Le Jouet”という作品のハリウ
ッドリメイクだったもので、結局、今回の計画では、フラン
ス版の“Le Jouet”と、アメリカ版の“The Toy”、それに
新版の“Jack and Jay”の3者を加味した脚本が作られるこ
とになるようだ。
 なお、82年作品のお話は、ジャーナリスト志望だが失業中
の主人公が、玩具会社の富豪の息子の遊び相手として雇われ
るが、その少年は金には恵まれているが人の愛には恵まれて
いなかった。そこで主人公は少年に人の愛を教えようとする
が…というもの。これをプライヤーの熱演で描いているが、
正直なところは、ちょっとその熱演が空回りという感じの作
品でもあった。
 今回は、その辺も踏まえてのリメイクということになると
思うが、良い作品を期待したいものだ。
        *         *
 後半は短いニュースをまとめておこう。
 まずは、来年5月19日に全米公開が予定されている“Star
Wars Episode III”の副題が、“Revenge of the Sith”に
決まったようだ。これは7月末にサンディエゴで開催された
Comic-Conの会場で明らかにされたもので、同大会に出席し
たルーカスフィルムの関係者が羽織っていた上着を脱ぐと、

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08月15日(日)
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