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On the Production
by 井口健二
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■第68回
まずは、昨年夏に公開されて1億600万ドルの興行収入を
記録し、パラマウント社の年間トップの成績を収めた“The
Italian Job”(ミニミニ大作戦)の続編計画で、すでに前
作を手掛けた夫婦脚本家チーム、ウェイン&ドナ・パワーズ
に草稿の執筆が依頼されたということだ。
計画は、前作をパラマウントのトップとして手掛けた製作
者のジョン・ゴールドウィンと、現同社トップのドナルド・
デ=ラインの間で進められているもので、物語の詳細は極秘
とされているが、前作でヴェニスとロサンゼルスで展開され
た作戦は、次回はサントロペ、パリ、そしてスイスアルプス
で展開されるという情報もあるようだ。
また、この続編では、前作を監督したF・ゲイリー・グレ
イや、主演のマーク・ウォルバーグ、シャーリズ・セロンら
の去就も注目されるが、特にセロンは、前作の次に主演した
『モンスター』でオスカーを受賞。さらにパラマウント製作
“Aeon Flux”の契約では、彼女自身の出演料の記録を900万
ドルに伸ばしたところで、さて、彼女の再登場は一体いくら
で決着するかというところも話題を呼びそうだ。
製作時期などは未定だが、脚本ができれば、後は速そうな
感じもする。因にゴールドウィンは、彼の祖父のサミュエル
・ゴールドウィンが製作した“The Secret Life of Walter
Mitty”(虹を掴む男)のリメイクも進めているところだ。
* *
お次もパラマウントで、これは続編ではなく前日譚だが、
1987年ブライアン・デ=パルマ監督の“The Untouchables”
(アンタッチャブル)に関連して、同作でロバート・デ=ニ
ーロが演じたアル・カポネの若き日を描く計画が進められて
いる。
オリジナルは、ケヴィン・コスナーのエリオット・ネス役
で、警官役で共演したショーン・コネリーにオスカー助演賞
をもたらしたものだが、今回はネスが登場する以前の物語と
いうことで、カポネがシカゴの暗黒街に君臨して行く姿が描
かれるということだ。これで“The Untouchables”かと言わ
れると、ちょっと考えてしまうところだが、今回の作品は、
前作を手掛けたアート・リンスンが製作するもので、題名も
“The Untouchables: Mother's Day”と付けられている。
脚本はまだ作られておらず、従って製作はごく初期の段階
ということだが、監督には『キング・アーサー』を手掛けた
アントワン・フークアがすでに名乗りを挙げているというこ
とで、脚本が完成すれば彼の次回作の可能性もある。また、
配役では、デ=ニーロが演じたカポネの若い日を誰が演じる
かも話題になりそうだ。
* *
この春公開された“The Texas Chainsaw Massacre”でも
前日譚の計画が発表された。
オリジナルは、言うまでもなく1974年トビー・フーパー監
督による『悪魔のいけにえ』(原題同じ)のリメイクだが、
このフーパー版からはその後に3本の続編が製作され、その
第4作ではマシュー・マコノヒーとルネ・ゼルウィガーが主
演していたことでも有名になった。しかしこのフーパー版か
らは前日譚が作られたという記録はない。
といってもこれらの続編は、いずれも第1作のリメイクと
言ってもよいもので、その意味で、今回あえて前日譚と名乗
るのには、それなりの何かがありそうだ。
そして、その脚本を手掛けるのは、MGM/ディメンショ
ン共同で進められている“The Amityville Horror”のリメ
イクで、スコット・コーサーのオリジナル脚本のリライトを
担当したシェルドン・ターナー。前日譚は彼自身のアイデア
によって描かれるということだ。因に、ターナーはパラマウ
ント/ソニー共同で進められている“The Longest Yard”の
リメイクの脚本も手掛けている。
なお、製作は、先のリメイクも手掛けたマイクル・ベイ主
宰のプラティナム・デューンズと、ニューラインシネマ(N
LC)で行われるが、実はこの計画では、当初は1作のみの
リメイクの予定でシリーズの契約はされていなかった。この
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08月01日(日)
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