ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460034hit]
■第65回
因に、“Chariots of the Gods”は、1974年にハラルド・
ラインル監督で映画化されており、この作品は何かの機会に
日本で上映されたのを見た記憶があるのだが、今回調べた範
囲では日本での一般公開の記録はないようだ。しかし、アメ
リカのガイド本では、星3つというかなり高い評価を与えら
れているもので、僕も広角レンズを多用したパノラマ感覚の
映像が優れていたと記憶している。
なお、フォン・デニケンは、大西洋の両側で作られた彼の
著作に基づくテレビ番組などで、今も悠々自適の生活のよう
だが、最近は彼の著作を、テーマを変えただけで流用したよ
うな作品もいろいろ出版されており、ここらで一つ本家の姿
を見せてもらいたいものだ。
* *
『シュレック』第1作と、『パイレーツ・オブ・カリビア
ン』の脚本を手掛けたテッド・エリオットとテリー・ロッジ
オの脚本家コンビの片割れ、ロッジオがビル・マーシリと組
んで執筆した“Deja Vu”という脚本が、ジェリー・ブラッ
カイマーの製作でディズニーで映画化されることになった。
物語は、現代を舞台にしたタイムトラヴェルもので、時間
を遡る能力を持ったFBIの捜査官が、殺人を犯す女性に恋
をしてしまうというのもの。犯人を知り得ても事実を変える
ことの許されない状況の中で、どのような結末が待ち構えて
いるのかということだが、ブラッカイマーは、「非常にエキ
サイティングで、サスペンスとロマンスにも満ちあふれた作
品」と紹介している。
そしてロッジオは、このロマンティックスリラーの脚本に
ついて、ディズニーと数100万ドルの金額で映画化権を契約
したということだ。またエリオットは、本作の映画化では製
作を担当することになっている。
なお、エリオットとロッジオは、ジョン・タートルトーボ
監督、ニコラス・ケイジ主演で進められているディズニー作
品“National Treasure”のリライトを手掛けている他、マ
ーシリの前作の“Jingle”という作品に協力しており、さら
に現在は、“Pirates of the Caribbean”の2本の続編を執
筆中ということだ。
* *
『LOTR』のヴィゴ・モーテンセンが、デイヴィッド・
クローネンバーグ監督と組む計画が発表されている。
この作品は、ニューラインで進められている“A History
of Violence”というもので、小さな街で静かに暮らしてい
た男が、ちょっとした事件で活躍したことから人々の注目を
集め、それが予期せぬ事態に進展して行くという物語。ジョ
ン・ワグナーという作家のグラフィックノヴェルを原作とす
る作品ということだ。
『LOTR』以後のモーテンセンには、いろいろな会社か
ら主役のオファーが舞い込んでいるということだが、『LO
TR』の製作会社でもあるニューラインでは、敢えて彼の成
功の元となったインディペンデントやアートフィルムの線で
交渉を行ったようで、その考えにクローネンバーグも呼応し
て今回の計画が実現したということだ。ジョッシュ・オルス
ンの脚本で、撮影は今秋開始される予定。
なお、モーテンセンは、スペインのアウグスティン・ディ
アズ・ヤンズ監督の下で進められる“Alatriste”という作
品の前に、本作に出演することになるようだ。
* *
続報で、パラマウントが進めているトム・クランシー原作
“Rainbow Six”の映画化の監督に、『ペイチェック』など
のジョン・ウーの名前が挙がってきている。
この作品は、ジャック・ライアンシリーズの傍系として発
表されているもので、『トータル・フィアーズ』にも登場し
たCIAエージェントのジョン・クラークを主人公にしたも
のだが、今年3月には新たな脚本家が契約して、その作業も
かなり進んでいるようだ。
そして今回は、その監督にウーの名前が挙がっているもの
で、ウーもこの計画に興味を示したということだ。ところが
ウーの計画では、実は1月15日付の第55回で紹介したザ・ロ
[5]続きを読む
06月15日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る