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On the Production
by 井口健二
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■第60回
れ、この部分は先行して撮影が行われているということだ。
という製作状況だが、実はこれが撮影開始1週間前の情報
で、こんな状態でまともな撮影が可能なのか心配にもなる。
しかし『レジェンド…』でも、ジョニー・デップは契約では
カメオの扱いで、撮影期間も9日足らずだったが、完成した
らほぼ主役だったという話もあり、このようなトリッキーな
映画製作はロドリゲスの得意という説もある。
まあ、大手のパラマウントの製作で、総製作費に1億ドル
が計上されている次回作では、このような状況には余りして
欲しくない気もするが、ロドリゲス自身は、「自分の映画で
は、1人で20以上の仕事を同時にこなすこともある」と自信
のほどを語っており、彼に任せた以上はこれも覚悟しなけれ
ばいけないことのようだ。
因にフランク・ミラーは、“Batman”や“Daredevil”の
グラフィックノヴェルでも知られるが、後者で彼が創造した
エレクトラのキャラクターは、映画で演じたジェニファー・
ガーナーの主演で傍系版の映画製作が決まるなど、その才能
は高く評価されているようだ。
それにしてもDGAの規定は、昨年も問題になっていたよ
うに記憶しているが、以前には1961年の『ウェスト・サイド
物語』ではロバート・ワイズとジェローム・ロビンスが共同
でアカデミー監督賞を受賞しており、また昨年の『マトリッ
クス・リローデッド』でもウォシャウスキー兄弟として共同
でクレジットされている訳で、この規定がどのように運用さ
れているのか、全く訳の分からない話だ。
なお、最近ではタランティーノと、ジョージ・ルーカスも
DGAを脱退しているそうだ。
* *
後半は、短いニュースをまとめておこう。
まずは、昨年『マトリックス・リローデッド』のラージフ
ォーマットを上映するなど、協力関係を強めているワーナー
とImaxで、今年はすでに“Harry Potter and the Prisoner
of Azkaban”の上映計画が発表されているが、それに続いて
“Catwoman”を一般上映と同時公開することが発表された。
因にこの上映フィルムは、Imaxがカナダに所有するラボラ
トリーでのディジタル・リマスタリング処理により、35ミリ
フィルムから70ミリフォーマットに変換するもので、本来の
Imaxではないものの、大型スクリーンの効果は充分に得られ
るということだ。
そしてさらに年末公開される“The Polar Express”と、
来年公開される“Charlie and the Chocolate Factory”で
は、何とImax-3Dでの上映も計画されている。
ここで、主演のトム・ハンクスも含めた全てがCGIで製
作される前者については、撮影後に3D化することも可能だ
し、高画質化もできるものだが、実写の後者の場合は撮影時
から3Dで撮影されることが必要になる。これには、ティム
・バートン監督の協力も不可欠となるものだが、実現の可能
性はどれくらいなのだろうか。
* *
次は配役の紹介で、すでに何度か報告しているニコール・
キッドマン主演の劇場版“Bewitched”(奥様は魔女)で、
主人公サマンサの母親エンドラ役にシャーリー・マクレーン
と、父親モーリス役にマイクル・ケインが発表された。
因にテレビシリーズでエンドラ役は、『市民ケーン』など
にも出演していたアグネス・ムーアヘッド、モーリスは滅多
に登場しなかったが、『猿の惑星』などのモーリス・エヴァ
ンスが演じていた。なお、セミレギュラーのエンドラは、普
通の人間を馬鹿にし、夫の会社の上司や隣人などに魔法を掛
けて、人間関係を掻き廻す役柄だったが、ここにマクレーン
とケインを持ってくるということは、今回はかなり重要な役
になりそうだ。
また今回の映画化では、夫のダーリン役を“Elf”が評判
のウィル・フェレルが演じる他、キッドマンの2役でサマン
サの妹セレーナの登場もあるということだ。『めぐり逢えた
ら』などのノラ・エフロンの監督で、脚本はノラと妹のダリ
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04月01日(木)
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