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On the Production
by 井口健二
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■第58回
とになっているが、今回はミラマックストップのハーヴェイ
・ワインスタインが、長編6作目となる彼に、高額のテント
ポール作品の監督を任せることを承認したというものだ。
 なおスミスは、元々コミックスの大ファンだったというこ
とだが、1994年に監督デビュー作の『クラークス』を製作す
るためにそれまでに集めたコレクションを売り払ったことも
あるそうだ。ただし、現在はニュー・ジャージーで自らコミ
ックスの専門店も経営しているということだが、実は、彼自
身はコミックスの映画化は希望していなかったそうだ。
 その彼が“The Green Hornet”を作りたいと考えたのは、
テレビなどのお陰でホーネットやカトーの名前は有名だが、
彼らの本質は理解されていないと考えてのこと。もちろん、
ホーネットには大きなファン組織なども存在して、彼らを満
足させるのは大変だが、それに挑戦したいということだ。
 そして彼は、ワインスタインに、これを実現できるのは自
分しかいないと訴えたということだ。まあかなりの入れ込み
ようというところだが、こうなった以上は、彼の思い通りの
期待に叶う作品を作ってもらいたいものだ。また、配役に関
しては未定だが、スミス自身は、ユニヴァーサルが計画した
2人についても興味を引かれると語っているそうだ。
        *         *
 続いてもテレビシリーズの映画化で、1965〜70年に放送さ
れて日本でも人気の高かった“I Dream of Jeannie”(かわ
いい魔女ジニー)の映画版の監督に、『ベッカムに恋して』
のグリンダ・チャーダの名前が挙げられている。
 オリジナルはバーバラ・イーデンの主演で、2000年前のペ
ルシャの王女がさまざまな理由で魔法の壺に閉じ込められ、
海に流される。それが2000年後、とある南の島に不時着した
NASAの宇宙パイロットに拾われ、ヒューストンに来てし
まうというもの。つまり古代の魔法と最先端の宇宙科学が共
存する面白さを売り物にしたコメディ作品だった。
 そしてこの計画も、ソニー傘下のコロムビアで立上げられ
てからかなり経つが、これがようやく少し目処が立ってきた
というところのようだ。ただアジアから見ると、ペルシャの
王女の話をインド人の監督というのには、ちょっと違和感も
あるが、ハリウッドはお構いなしというところだろう。
 なお、脚本はコーマック&マリアニー・ウィバリーのもの
がすでに用意されているということだが、実はチャーダには
別にフォックスで“Tucker Times”という作品も予定されて
おり、どちらが先になるかは判らないとのこと。ただし、企
画が進行した場合には、『ベッカム…』に出演してブレイク
したキーラ・ナイトレイの主演も期待されているそうだ。
        *         *
 またまたCGIアニメーションの話題で、今度はソニー・
ピクチャー・アニメーション(SPA)からその第1作の計
画が発表された。
 この作品は“Open Season”と題されているもので、狩猟
シーズンを迎えた北米の森林を舞台に、体重900ポンドのグ
リズリーベアのボーグと、痩せこけて角が1本しかない牡鹿
のエリオットと、そしてボーグを子供の頃に育てた女性森林
レンジャーのベスを巡る物語。元々は新聞漫画家のスティー
ヴ・モウアという人のアイデアに基づくものだそうで、原作
者は製作総指揮も担当している。
 そしてこのアイデアから、ジル・カールトンがアニメーシ
ョンの監督をすることになっているが、カールトンは、『モ
ンスターズ・インク』のストーリーでクレジットされている
他、『バグズ・ライフ』や『トイ・ストーリー1、2』のス
トーリーにも関わっていたということで、かなり期待の膨ら
みそうな計画だ。
 因にアニメーションの製作は、『スパイダー・マン』など
のVFXを手掛けたソニー・イメージワークスが担当。そし
て声の出演者には、ボーグ役にマーティン・ローレンス、エ
リオット役にアシュトン・カッチャー、ベス役にデブラ・メ

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03月01日(月)
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