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On the Production
by 井口健二
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■第57回
・チェーンソー』のリメイクの製作を手掛けたベイ監督は、
現在は以前に紹介した“The Amityvill Horror”のリメイク
と、“The Texas Chainsaw Massacre”の続編にタッチして
いるということで、今回の計画が直ちに進められるというこ
とではないようだ。
        *         *
 昨年の4月15日付の第37回と5月1日付の第38回で紹介し
たロバート・A・ハインライン原作“Have Spacesuit-Will
Travel”の映画化で、脚色に『ファインディング・ニモ』で
オスカー脚本賞にノミネートされているデイヴィッド・レイ
ノルズの起用が発表された。
 高校で卒業年次学生の主人公が、大学で学ぶための学資を
捻出する目的で手放そうとした本物の宇宙服が切っ掛けで、
生涯を掛けた大冒険に誘われるというこの物語は、1958年に
発表された原作者の円熟期の作品。1997年にポール・ヴァホ
ーヴェンが映画化した『スターシップ・トゥルーパーズ』の
前年に発表されたものだ。
 そして今回の映画化の計画は、『ハリー・ポッター』シリ
ーズを手掛けるデイヴィッド・ヘイマンが昨年来進めていた
もので、この時期の脚本家の発表は、早ければ今年の秋から
の撮影開始も考えられるということで、前回の報告で一緒に
紹介した同じ原作者の“The Moon Is a Harsh Mistress”よ
り先に実現できる状況になってきたようだ。
 ということで本作は、ワーナー配給で来年中の公開も期待
できそうだが、できれば“The Moon …”の早期の実現も期
待したいものだ。
        *         *
 次もオスカー候補になっている脚本家の情報で、今年度の
脚色賞に“American Splendor”がノミネートされているシ
ャリ・スプリンガー・バーマンとロベルト・パルチーニのコ
ンビに、1935年製作のユニヴァーサルホラーの古典“Bride
of Frankenstein”のリメイクがオファーされている。
 本作のオリジナルは、メアリ・シェリーの原作を映画化し
た1931年の“Frankenstein”の続編として製作されたものだ
が、この作品は前作より高い評価が与えられて、多くのガイ
ドブックで満点が与えられるなど名作として名高いものだ。
 そのリメイクの脚本と監督が、コンビにオファーされてい
る訳だが、実はすでにいくつか作られていた脚本から、さら
に今回コンビにオファーするに当り、ユニヴァーサル側が提
示した条件は、既存の脚本に捕われる必要なしということ。
つまり彼らは自らのコンセプトで、自由に作品を創造できる
ということで、この要望に対して彼らは、現代ニューヨーク
を舞台にした『ローズマリーの赤ちゃん』のような作品を目
指すとしている。
 因に、同作のリメイクでは、1985年にスティングとジェン
ファー・ビールス主演で作られた『ブライド』あるが、今回
の発表ではほとんど無視されていたようだ。また、今年5月
公開予定の“Van Helsing”は19世紀が時代背景で、その中
にフランケンシュタイン博士とその怪物に関するシーンがあ
るそうだが、それとのつながりも持たせないということだ。
 なお事前に作られていた脚本は、実はVFXを多用した未
来的な物語だったそうで、彼らのコンセプトとは大幅に異な
るようだが、すでに『ハムナプトラ』や“Van Helsing”で
VFX満載のリメイク路線を突き進んでいたユニヴァーサル
が、今回はちょっと方向転換しているようだ。
        *         *
 元クリントン大統領の演説原稿の執筆者で、昨年公開され
た『ビロウ』の脚本家としても知られるルーカス・サスマン
が、ダーレン・アロノフスキー監督の新作の脚色しているこ
とが発表された。
 この作品は、“Song of Kali”という題名で、ダン・シモ
ンズという作家の小説を映画化するもの。内容は、インド人
の妻と赤ん坊を連れてカルカッタを訪れたアメリカ人の詩人
が、インドの女神カリ神を歌うインド人の詩人を訪ねるが、
彼が訪れたときインド人の詩人は女神を信奉するカルト集団

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02月15日(日)
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