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On the Production
by 井口健二
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■ブルドッグ、ヴァンダの部屋、ストーリー・ビギンズ・アット・ジ・エンド、悪い男、アフガン・零年、ジョゼと虎と魚たち、キル・ビル
方が良いのかも知れない。実際、映画の最初で故深作欣二監
督にささげられてもいるが、タランティーノの日本映画への
思い入れがひしひしと感じられる作品だ。
何しろ、本当の意味での日本刀によるチャンバラが見事で面
白いし、そこに挟み込まれるユーモアや、英語・日本語取り
混ぜての決め台詞も多彩に見事に決まっている。これは本当
に日本映画を愛する人の作品といえる。
また、登場人物の一挙手一投足がスタイリッシュに決まって
見ていて気持ちが良いし、さらに4年間の昏睡から覚めた主
人公の、身体がまともに動くようになるまでの時間経過をち
ゃんと描いているなど、脚本の周到さと言うか作者の頭の良
さも感じられた。
そして上映時間の1時間53分は、おそらく今年見た映画の中
では最も短く感じられたものだ。
ただし、タランティーノの作品なので描写はかなり過激で、
血糊の量も尋常ではない、その辺が苦手の人にはちょっと勧
められないが、そうでない人には、今年一番映画らしい映画
と言って過言ではないだろう。
* *
今回は少し余白が残ったので、このページの考え方を記して
おきたい。
このページでは、基本的に映画を誉めることを念頭に置いて
いる。と言うか、他人が貶している映画でも何とか誉められ
るところを見つけてそれを書くことを目的としている。
特に僕しかできない誉め方ができたら最高だと考えている。
しかし僕も人間なので、全ての映画を気に入る訳ではなく、
中には良いところを見つけられない作品もある。そのような
作品の多くは、映画をバカにしていると感じられたもので、
映画を愛する者として許せなかったものだ。
そしてそのような作品に関しては、書くこと自体が不愉快な
ので、個人的にまとめたものは残しているが、ここには載せ
ないことにしている。
実際、今年は先月末までに150本ほどを見ており、1月16日
〜10月3日分でここに掲載された数との差が、僕の気に入ら
なかった作品ということになる。
つまりここに掲載している映画は、トップにも書いた通り、
少なくともどこかで僕が気に入った作品ということであり、
書いていない作品は気に入らなかったということになる。
ただし見ていない映画も数多くあるので、その辺はご了承願
いたい。また入場料を払って見た作品は、評価の基準が変っ
てしまうので含めないことにしている。
以上の考え方で今後も続けて行く予定ですので、気に入った
方はご愛読をお願いします。
10月16日(木)
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