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On the Production
by 井口健二
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■トランサー、福耳、ゲロッパ、ブラックマスク2、パイレーツ・オブ・カリビアン、SIMONE
らの戦いぶりが良い感じだ。
そして後半は、デップ対現船長役のラッシュ。こちらは、復
讐の思いと、呪いの苦しみが交錯する壮絶な戦いとなってい
る。ここでは他の場所での集団戦と並行して描かれ、しかも
呪いに絡むVFXと共に描かれて、その迫力も見事だ。
最近のこの手のアクションシーンは、空手を中心とした素手
の戦いがほとんどになっていたが、久し振りの剣戟シーンは
堪能できた。2時間23分の長大作だが、これらのアクション
シーンで飽きさせることはない。
なお人間ドラマでは、デップは本物の1枚看板で、芝居でい
う2枚目がブルーム。従ってデップはドラマから見せ場、お
笑いまでほとんどを1人で背負っているが、さすがにどこも
上手い。しかも実に楽しそうにやっているのが素晴らしい。
今までの役柄とはちょっとイメージが違うかもしれないが、
この楽しそうな雰囲気は、洋の東西を問わず、男って本当に
チャンバラが好きなのネ、という感じがした。その意味では
微笑ましい作品とも言えるだろう。
それから、映画はエンドロールの後に1シーンあるから絶対
に席を立たないように。すでに続編の計画も進行しているよ
うだ。
『SIMONE』“Simone”
『ガタカ』『トゥルーマン・ショー』のアンドリュー・ニコ
ルが描いた史上初のヴァーチャル・アクトレス誕生秘話。
主人公はここ10年ヒット作の出ていない映画監督。撮影中の
新作も女優のわがままのために製作中止寸前に追い込まれて
いる。そんな彼には、元妻で彼が専属契約を結んでいる映画
会社の社長も匙を投げ気味だ。
その監督の前に一人の男が現れる。男は自分が余命いくばく
もないと語り、1台のハードディスク装置を彼に託す。そこ
には、その男が開発した史上初の完璧なヴァーチャル・アク
トレスのソフトウェアが入っていた。
監督は、そのソフトウェアを使い、撮影中の新作の女優を全
て彼女にすげ替えて作品を完成させる。それは鍵の掛かった
サウンドステージの中で、監督一人の手で行われた。
ところがその作品が大ヒット、シモーヌと名付けられた女優
は一躍トップスターになってしまう。そして第2作は、彼女
のシーンは全て別撮りするという条件で製作され、これも大
ヒットしてしまう。
絶対に文句を言わない女優、彼女は監督の思う通りに働くは
ずだった。しかし一人で巨大な秘密を背負うことになった監
督は、さらに作品の評判が自分の演出ではなく女優に有ると
気付き、徐々に女優を憎むようになる。そして女優を抹殺し
ようとするのだが…。
物語は、これに見事なユーモアを交えて心地良く展開する。
何しろ、シモーヌはテレビの生出演から、ホログラムを利用
した野外コンサートまでこなしてしまうのだが、これが技術
者の夢というか、見事に有りそうなところも素晴らしい。
正直に言って、『ガタカ』も『トゥルーマン・ショー』も世
間の評判は極めて良いようだが、僕は余り買っていない。
『ガタカ』は実にうまくできたSFだが、いくつかの描写が
余り好きになれなかったし、『トゥルーマン』は後半が破綻
している。
しかし今回は全てが上手くまとまっていて、見事な作品だっ
た。またこの監督役をアル・パチーノが演じているのも作品
の完成度を高めている。映画界のあり方や、スターの人気の
作られ方など、皮肉がたっぷりなところも面白かった。
なおこの作品も、エンドロールの後に重要なシーンが有るの
で、絶対に席を立たないように。
08月02日(土)
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