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On the Production
by 井口健二
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■第36回
映画化の計画が発表された。              
 計画されている作品は、SFのニューウェイヴの旗手とし
て70年代に活躍したイギリスの作家マイクル・ムアコックが
発表した“The Elric Saga”と呼ばれるもので、全11冊から
なり、その内のシリーズの最初の6冊について3部作で映画
化するというものだ。                 
 物語は、剣と魔法が主役となるファタシー世界を舞台に、
アルビノの戦士エルリックが従兄弟の裏切りによって祖国を
追放され、諸国を旅して行く異世界での冒険を描いたもの。
当然、紹介された記事には『指輪物語』が引かれていたが、
どちらかというと『コナン』に近いヒロック・ファンタシー
に分類される物語だ。                 
 といっても、ムアコックはかなりの論客として知られてい
た作家なので、一筋縄で行く話ではないようだが…。因に、
今回の発表でクリス・ウェイツは、「子供の頃から原作のフ
ァンだったが、大人になってその評価をより高くした。『マ
トリックス』を剣と魔法の世界に置き換えたような作品だ」
と評している。                    
 ただし今回の計画では、ウェイツ兄弟は製作者の立場をと
るということで、脚本と監督には別の人材を起用するという
ことだ。また製作者には、原作者のムアコックも名前を連ね
るということで、この条件で、一体どんな脚本家と監督が選
ばれるのだろうか。なお、ムアコックはイギリスでハードロ
ックバンドを率いていたこともあるそうだ。       
 “Elric of Melmibone”から“Stormbringer”までの最
初の6冊については翻訳も出ている。           
        *         *        
 もう一つ、ちょっと懐かしい名前で、『フリッツ・ザ・キ
ャット』などで異端のアニメーターと呼ばれたラルフ・バク
シがアニメーションの仕事を再開することになったようだ。
 バクシは、56年に入社したテリートゥーンで『マイティ・
マウス』などの作品を手掛け、その後パラマウントを経て、
72年発表の『フリッツ』で一世を風靡、さらに78年には『指
輪物語』を発表している。しかしその後は、83年に『ファイ
ア&アイス』を発表しただけで長編からは遠ざかり、87−89
年にテレビ用の『マイティ・マウス』の新作を自分のプロダ
クションで製作した他は、趣味の絵画に専念していたという
ことだ。                       
 しかしその『マイティ・マウス』の新作に関わったジョン
・カークファルシというアニメーターがテレビ用に製作した
“Ren & Stimpy”という作品にバクシを引っ張り出し、さら
に『マイティ・マウス』の当時から話し合っていたという今
回の長編作品の計画へと進展したようだ。        
 そして計画されている作品は、“Bobby's Girl”という題
名で、脚本はバクシとカークファルシが共同で担当し、製作
費は1000万ドル以下、Rレイトを目指すというものだ。  
 因にカークファルシは、“Weekend Pussy Hunt”というイ
ンターネットで発表した作品で有名になったそうだが、上記
の“Ren & Stimpy”では、放送開始直後に大反響を呼んだも
のの、19エピソードが放送されたところで、スポンサー側か
らもう少し内容を大人しくしてくれと言われ、即、製作を中
止したということで、バクシに劣らず反骨の人物のようだ。
        *         *        
 最後に短いニュースをまとめておこう。        
 まずは続報で、                   
 前回紹介したジュード・ロウ製作・主演のSF大作“The
World of Tomorrow”にケイシー・アフレックの出演が発
表された。これは前回報告したジョヴァンニ・リビージに交
代するもので、アフレックは、ガス・ヴァン・サント監督作
品の“Gerry”の他、『オーシャンズ・11』にも出ていたそ
うだ。なお今回の情報によると、物語は、ジュード・ロウ扮

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04月01日(火)
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