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On the Production
by 井口健二
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■プレッジ、燃ゆる月、少林サッカー、ボーンズ、スコーピオン・キング、金魚のしずく、月のひつじ、ピンポン、海辺の家、モンスーンW
ているという訳だ。
それから、巻頭に一発CGIでかましてくれる映像の感覚も
素晴らしい。この1シーンで映画に引き摺り込まれ、映画全
体の流れを決定する。こういう感覚も並の日本映画と違う感
じを与えてくれた。
『GO』は見ていないし、『漂流教室』も熱心な視聴者だっ
た訳ではないので、窪塚にどのくらいの実力が在るか判らな
かったが、本作でコミックスのキャラクターを苦もなく演じ
ているのには感心した。
元々コッミクス原作だから臭い演技が気にならないとえばそ
れまでだが、概して本作の配役は填っていたように思う。主
な配役の最年長が夏木マリと竹中直人というのも、良かった
のかも知れない。竹中はそこそこ臭いけれども。
『海辺の家』“Life as a House”
『ワイルド・ウエスト』のケヴィン・クライン主演のヒュー
マンドラマ。
主人公は42歳、20年間勤め上げた会社をリストラされ、しか
もその直後に癌が発見されて余命3カ月を宣告される。主人
公には離婚歴があり、すでに16歳の息子は妻が引き取ってい
るが、周囲の全てに反発する問題児になっている。
その主人公が、余命の全てを費やして海辺の断崖に建つ自宅
を建て直そうとし始める。それは病気の彼一人に出来ること
ではなく、彼は病気は隠して元の妻や夏休みの息子に協力を
求めるのだが、やがて周囲の住民も巻き込んだ騒動へと発展
して行く。
主人公の仕事は、建築会社のプレゼン用の模型制作者で、こ
れがコンピュータグラフィックスにとって替られるという辺
りは、今横行しているリストラの大半がこれに通じるという
点で現代を象徴している。
物語は、特に前半は父親と問題児の息子の関係を中心に描か
れるが、僕自身が同じ年代の息子を持つ父親としては(別に
自分の息子は問題児ではないが)、こんなに上手く行くのか
なという感じは否めない。多分今の子供たちはもっと複雑な
はずだ。
しかし家を建てることといい、元妻や周囲の人たちとの関係
といい、元々が男の夢物語なのだからこれも良いだろうとい
う感じだ。逆にそれをよしとするだけの魅力がこの作品には
ある。それが男の夢物語という点だ。
父親の思いを息子が受け継ぐ、そんな理想論でしかないかも
しれない物語が見事に描かれている。僕は父親の世代として
このように見たが、逆に息子の世代にも見て理解して欲しい
という風にも感じた。
『モンスーン・ウェディング』“Monsoon Wedding”
2001年ヴェネチア映画祭で金獅子賞を獲得したインドの女性
監督による作品。
舞台はニューデリーのとあるお屋敷、といっても飛び切りの
大金持ちという訳ではない父親が、一人娘のために一世一代
の結婚式を催そうとする。それは伝統に則ったもので、マリ
ーゴールドの花に飾られた華やかなものになるはずだった。
しかし準備の途中で資金は底をつきはじめ、一方、娘は不倫
相手との別れをきっかけに親の決めた婚約者との結婚をOK
したものの、まだ元の相手に未練があるようだ。そしてアメ
リカやオーストラリアからやってきた一族勢揃いの招待客の
中には、幼い少女に手を伸ばす良からぬ性癖の者もいたりし
て…。
そんなこんなの諸々が、結婚式を目前にして一気に噴き出し
てくる。果たして父親は無事に結婚式を行うことが出来るの
か?
ニューデリーを中心としたパンジャブ地方の人々は普段から
お祭り好きで、結婚式はその際たるものということのようだ
が、こんな大掛かりな式ではやるだけで大仕事だ。そんな中
で次々起こるトラブルが、映画の中では結構手際良く、判り
易く描かれている。
監督は、生まれも育ちもニューデリー、といってもハーヴァ
ード大学で映像学を学んだ才媛ということで、感覚的にはア
メリカ映画に近い雰囲気がある。しかし歌がふんだんに出て
くる辺りはインド映画特有の雰囲気も持っていて、ハリウッ
ド映画とインド映画の見事な融合と言うところだろうか。
上映時間は1時間54分。大抵が3時間を越えるインド映画に
しては短い方で、観客には見易い作品だ。
06月03日(月)
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