ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460457hit]
■第6回+モンスターズ・インク、アメリカン・スウィートハート、タイムリセット、沈みゆく女
隠されていた。
『シュレック』の製作者のジェフリー・カツェンバーグは、
来日記者会見でディズニーアニメを子供向きと決めつけてい
たが、この作品では背景にエネルギー問題があったり、主人
公の父性が扱われたり、かなり大人向きと言えないこともな
い展開になっていた。
しかもピクサーお得意のスピード感あふれる映像は、大人に
も充分楽しめる作品になっている。これで、来年のアカデミ
ー賞から新設される長編アニメーション部門の初の受賞作の
行方が本当に判らなくなった。
物語の中では、ハリーハウゼンという名前のレストランが登
場し、そこの店主がタコというのは55年製作『水爆と深海の
怪物』“It Came from Beneath the Sea”へのオマージュだ
と思うが、その店がジャパニーズレストラン(寿司屋)とい
うのは一体どういう意味なのだろうか。
『アメリカン・スウィートハート』
“America's Sweethearts”
ビリー・クリスタルの脚本で、ジュリア・ロバーツ主演によ
るラヴ・コメディ。
理想のカップルと呼ばれ、共演作は大ヒット連続のスターカ
ップルが、ある作品の共演後に妻の浮気が発覚、夫はノイロ
ーゼになり、以後バラバラに出演した作品は失敗の連続。し
かも切っ掛けとなった共演作品はカリスマ監督が編集権を独
占し、編集が終わるまではプロデューサーも見ることができ
ない。
そんな監督から完成の連絡があり、もう失敗の許されないプ
ロデューサーはラスヴェガス郊外のホテルを借り切ってのマ
スコミ披露を計画、スターの2人も再浮上のチャンスとばか
りそこに現れるが…。
ロバーツの役柄はそんなスター女優に振り回される実の妹で
付き人。クリスタルは狂言回し的な宣伝マンを演じる。そし
て理想のスターカップルに扮するのが、キャサリン・ゼタ=
ジョーンズとジョン・キューザックなのだから、これはもう
ハリウッドを見事に凝縮した作品だ。
映画ファンには、ジャンケットと呼ばれるマスコミ披露の裏
側や、我儘言い放題のスター女優、なりふりかまわぬ宣伝工
作に、カリスマ監督に振り回されるプロデューサーなど、い
ろいろなハリウッド事情がパロディになっていて楽しめる。
そうでなくてもこの豪華な共演者は、それだけで堪能できる
作品だろう。
なおロバーツは、『オーシャンズ11』の撮影と同時進行で、
この撮影に参加していたそうだ。
『タイムリセット』“Ta Fa Likit”
01年の東京国際映画祭で上映されたタイ国映画『レイン』の
オキサイド・パン監督が97年に発表した第1作。
家族公認の恋人同士のジァップとワーン。ところがある日、
ワーンが原因不明の病で意識不明となり、僧侶に助けを求め
たジァップはワーンが前世で5人家族惨殺の罪を犯し、その
報いと知らされる。
その運命から逃れる術は、ジァップがこれから死ぬ運命の5
人の命を救うこと。そしてジァップの手には未来を教える白
紙の新聞紙が握られる。
話自体はどこかにありそうなものだが、CF出身のパン監督
はこの物語をスピーディー、かつ丁寧に作り上げている。
事件が解決して新聞記事が消えるときに『バック・トゥ・ザ
・フューチャー』みたいだと言わせたり、ユーモアも適度に
あって飽きさせず、結末も期待以上の良さがあった。
この監督は注目しておく必要がある。
[5]続きを読む
01月01日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る