ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■特集:東京国際映画祭(コンペティション14作品+レイン、遊園驚夢、ヴィドック)
シンガーの歌手にやらせるなど、完全に商業主義を狙った作
品のようだ。お話は軽く、人物設定も明確で判りやすい。本
来俳優でない2人の演技も、台詞廻しなどは判らないが、良
くやっている感じがした。               
一種の時代劇なので時代考証などが重要になるのだろうが、
その辺は判断できない。ただし音楽にポップ調のものを使用
するなど、考証などの重要性は余り感知していないのかも知
れない。まあ僕のイメージするスイスの田舎ではあったが。
内戦が終った直後という設定の物語だが、 150年前の闘いを
最後の闘いと呼ぶ前説には、60年足らずの不戦を威張ってい
るどこかの国との歴史の違いを感じた。         
                           
『O〔オー〕』“O”             
『オセロー』を題材に、高校のバスケットボールチームの選
手達を描いた作品。                  
元々がシェークスピアだから物語が良くできているのは当然
だが、これを上手く現代の高校生に移し変えたものだと感心
する。嫉妬心などの『オセロー』の世界は不滅だということ
だろう。                       
日本でも人気の高まっている若手俳優ジョシュ・ハートネッ
トの主演だが、今までの作品とまるで違う役柄は、彼を目当
てに観に来る若い女性達に衝撃を与えそうだ。多分お父さん
が悪いということで納得するのだろうが。        
                           
『The Chimp』“Maimyl”           
『あの娘と自転車に乗って』などの監督の自伝的3部作の完
結編。キルギスの自然と風土を背景に、酒飲みの父親に苦労
する若者の青春を描く。                
主人公は兵役を前に、最後の青春を過ごしているが、父親は
いつも酔っ払って、主人公の行動の邪魔をする。そしてつい
に耐えられなくなった母親が妹を連れて家を出てしまう。 
この不況の時代の日本でも、兵役ということは別にしてどこ
にでも起こりそうな物語が、キルギスという全く違う風土の
中で起こっている。                  
                           
特別招待作品                     
                           
『レイン』“Bangkok Dangerous”       
香港出身の双子兄弟の監督が、タイで制作したアクション映
画。                         
生まれつき耳の聞こえない主人公は、殺し屋の男に拾われ彼
の跡を継ぐよう育てられる。やがて一人前に育った主人公は
国を揺るがすような仕事を任されるようになるが、同時にド
ラッグストアの女性に恋心を抱く。一方、殺し屋の男は恋人
を陵辱された復讐でマフィアの男を殺害し、仕返しで殺され
てしまう。主人公は女性に全てを告白した手紙を残し、育て
の親の復讐へと向かう。                
どうも僕はこういう作品が苦手だ。しかしエンターテインメ
ントとしては優れていると思うし、たぶん日本の映画ファン
にはこういう作品を持て囃す連中も多そうだ。      
                           
『遊園驚夢』“遊園驚夢”               
宮沢りえがモスクワ映画祭で主演女優賞に輝いた中国歴史映
画。                         
崑曲の歌手だった主人公は名家に第5夫人として嫁ぐが、出
自の違う他の夫人たちとの折り合いが着かない。そこでの慰
めは、阿片と、夫の従姉妹でかつての自分のファンだった男
装の麗人との蓬瀬。しかし名家は没落し、主人公はかつての
ファンの女性と暮らすことになるが、女性には男性の恋人が
できてしまう。                    

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11月04日(日)
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