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On the Production
by 井口健二
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■殺手#4(キラー・ナンバー4)、鬼の花嫁、“EPiC: Elvis Presley in Concert”(原題)、悲しくて美しい世界/THIS IS SPARKLEHORSE
“This Is Sparklehorse”
1995年にアルバムデビューし、2010年に中心アーチストの自
死によって幕を閉じたアメリカ出身のロックバンドを描いた
ドキュメンタリー。
バンドはマーク・リンカスを中心に結成され、デビューアル
バムを発表した翌年には人気バンド=レディオヘッズのオー
プニングアクトに選ばれて欧州ツアーに帯同するなど着実に
実績を上げて行く。
しかしそのツアー中、リンカスはアルコールや薬物の過剰摂
取で倒れ、一命は取り留めるものの後遺症に悩まされ続ける
ことになる。それでも2001年に発表された3rdアルバムでは
トム・ウエイツらとのコラボなど活動は旺盛だった。
ところが2006年に製作された4thアルバムが完成されたもの
のお蔵入りとなり、その抗議活動などを繰り広げたものの大
きな挫折を味わうことになる。そして2010年に自死。4thア
ルバムはその半年後に発売された。
出演はアーチスト本人のアーカイブの他に、バンドのメムバ
ーやアーチストの家族、それにアルバムにコラボレーターと
して参加していたという映画監督のデイヴィッド・リンチが
かなりの時間を割いて証言している。
脚本とナレーションは生前のアーチストと親交のあったシン
ガーソングライターのアンジェラ・フェイ=マーティン。
製作と監督はアート・ドキュメンタリーやツアーの記録映像
などを手掛けるアレックス・クロートンと、社会派ドキュメ
ンタリストのボビー・ダスが共同で担当している。
音楽は詳しくないのでこのバンドについても不知だったが、
試写会にはバンドのファンの人も多く来ていたようで、中で
も配給会社の挨拶が「バンドが好きでこの作品の配給を手掛
けることにした」というのは感動した。
とは言うもののバンドを知らなかった者としては、よくある
アーチストの苦悩という感じかな。もちろんその苦悩の深さ
は理解できるが、扱いが表層的でその内面には迫れていない
感じもした。
結局亡くなった人の内面は計り知れないものであって、それ
を共有することはなかなか難しい。ただしその業績に触れる
ことはできる訳で、その点ではスパークルホースと言うバン
ドを知れたことには感謝したい作品だ。
それにしても配給会社の名前の由来がここにあったことは、
意外だった。
公開は4月24日より、東京地区はヒューマントラストシネマ
渋谷、新宿K's cinema、アップリンク吉祥寺他にて全国順次
ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社ブライトホース・フィルムの招
待で試写を観て投稿するものです。
03月22日(日)
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