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On the Production
by 井口健二
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■トランスフォーマー/ONE、忘れない、パレスチナの子どもたちを、国境ナイトクルージング、火の華、フード・インク ポスト・コロナ
イーモウ監督に見出されたチョウ・ドンユイ。因にアンソニ
ー・チェン監督とは2度目のタッグだそうだ。
さらに2018年1月紹介『空海 KU-KAI 』などのリウ・ハオラ
ン、2024年2月紹介『流転の地球』の1作目に出ていたとい
うチュー・チューシアオが共演している。
撮影は現地で行われたようで、そこは2023年11月紹介『ビヨ
ンド・ユートピア脱北』などでも写されていた場所と思われ
るが、正しく表と裏なのかな。でもそんな表の街にも苦悩は
あってそんな若者の想いが丁寧に描かれた作品だ。
ただ個人的には結末が暗示するものに承服しねる部分はある
が、それを暗示に留めて前向きの希望を描いていることには
納得することにした。そんな若者の想いを雄大な自然が包み
込んでいる、そんな描き方の作品だ。
因に写されているのは長白山、韓国名の白頭山は大韓民国の
国歌にも歌われているものだが、実は中国領土のようで、そ
の山頂にあるカルデラ湖=天池は世界最高度の湖だそうだ。
そんな大自然も観られる作品になっている。
公開は10月18日より、東京地区は新宿ピカデリー、ヒューマ
ントラストシネマ有楽町他にて全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社アルバトロス・フィルムの招待
で試写を観て投稿するものです。

『火の華』
2021年の長編デビュー作 『JOINT』で新藤兼人賞銀賞を獲得
した小島央大監督が、同作主演の山本一賢とプロデューサー
兼俳優のキム・チャンバと再結集して自衛隊による海外派遣
の闇を描いた作品。
2011年から2016年までアフリカの南スーダンで行われた自衛
隊による平和維持活動(PKO)。それは憲法9条の下、改正
自衛隊法に基づいて行われたもので、その活動範囲は非戦闘
地域に限られるとされていた。
しかし一度は隠蔽され、その後に開示された現地派遣部隊の
日報によれば、その中に戦闘という言葉は何度も出てきてい
る。そこで隊員に死傷者は出ていないとされているが…。そ
んな報道された事実を踏まえて描かれた物語だ。
主人公は南スーダンでPKO活動に従事する自衛隊の隊員。
そんな主人公が基地の外れで隊員が孤立したとの連絡でその
救援に向かう。そこには国内難民のテント村があり、その難
民も連れて帰還しようとするが。
そこに反政府軍の狙撃兵が現れ、先頭で両手を挙げていた自
衛隊員が銃撃を受け、主人公は相手の少年兵を撃った後、隊
長を残したまま辛くも脱出することになる。そして撃たれた
隊員は死亡してしまう。
ところが帰隊した主人公を待っていたのは隠蔽工作。そこで
は隊員は交通事故で亡くなり、隊長は逃亡したとするものだ
った。こんな重荷を背負った主人公は、自衛隊を辞め、火薬
を扱った経験を活かして花火師の門をたたく。
こうして華やかな花火師への道が拓かれるが、主人公の心の
傷は容易に癒えるものではなかった。
出演は、上記の2人に加えて2018年7月29日付題名紹介『純
平、考え直せ』などの柳ゆり菜、2023年10月紹介『笑いのカ
イブツ』などの松角洋平。さらにダンカン、伊武雅刀らが脇
を固めている。
映画の後半ではかなり強烈なフィクションが展開され、それ
はそれで面白いが。それに並行して新潟長岡の花火師が監修
した打ち上げ花火のリアルな製作課程も描かれ、それらが結
末で見事に収斂する。
その結末で、僕が観た上映では現地教師の英語の台詞に敢え
て字幕が付けられていないと思ったが、聞き取り易いその英
語の台詞が監督らの期待する未来を見事に物語っている感じ
がした。この結末は秀逸だ。
公開は今年12月より、東京地区はテアトル新宿、渋谷のユー
ロスペース、さらにT・ジョイ長岡他にて全国ロードショウ
となる。
なおこの紹介文は、配給会社アニモプロデュースの招待で試
写を観て投稿するものです。

『フード・インク ポスト・コロナ』“Food, Inc. 2”
2010年9月紹介『フード・インク』の続編。2009年製作の前
作から15年、スタッフが再結集してCOVID-19パンデミックを

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09月15日(日)
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