ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459563hit]

■ぴっぱらん!!、チネチッタで会いましょう、海の沈黙
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『ぴっぱらん!! 비바람』
2009年9月紹介『ゼロ年代全景』など出演の俳優で、2022年
『北風アウトサイダー』にて監督デビューしている崔哲浩が
再度自らの出自に絡む物語を描いた作品。
監督自らが演じる主人公の要は祖父が創設した百鬼組の若き
組長。要は兄の峻、弟の湊と共に中学時代から百鬼三兄弟と
怖れられる存在だった。しかし祖父がヤクザの抗争で惨殺さ
れ、復讐に向かった兄は返り討ちに遭ってしまう。
こんな経緯で組を引き継いだ要は、関東のヤクザ連合の一員
となって組を守ってきたが、祖父の遺志を継いで薬物には手
を出さないと誓ってきた要の方針が連合内に確執を呼び始め
る。そこには政治家も絡んでいた。
出演は崔監督の他に、山口祥行、福士誠治がトリプル主演。
他に森本のぶ、中野マサアキ、許秀哲、上松大輔、玉木惣一
郎、新宮里奈、櫂作真帆、遠藤綱幸、幸将司、植松洋、ムン
ス、奈良坂篤、原元太仁、マコト、玉木順一郎、深見亮介、
上久保慶子、夏井世以子、有希九美。
さらに並樹史朗、丈、趙博、西原亜希、木ノ本嶺浩、西田聖
志郎、永倉大輔、金守珍、津田寛治、渡辺哲、三浦浩一ら、
この手の作品では錚々たる顔ぶれが並んでいる。
自分が団塊世代の人間としては、パチンコ屋が韓国人という
のは自明のことだったし、正直、実家の隣家はそういう方の
家でその家のお祖母ちゃんが作るキムチが美味しかったこと
はよく覚えている。
従ってこの物語は有り得るだろうなという感覚は持っている
ところだ。とは言うものの、映画の始めの方では朝鮮人同士
の繋がりみたいなものが標榜されるが、後半になるに連れて
それが希薄になってしまうのは残念かな。
でもまあそんなこと関係なしの激しい抗争が描写されるもの
で、その辺が好きな人にはたまらない作品と言うところなの
だろう。そこに前回紹介の『対外秘』のような陰湿さがない
ところは、監督らしさと言える。
後は映画の中で旭日旗が出て来たり、皇軍の軍歌が堂々と歌
われるのは監督の考え方なのかな。これでは韓国での上映は
難しくなってしまう感じもするが、敢えてそこを描くのも監
督の意気と感じた。
公開は11月1日より、東京地区はテアトル新宿、アップリン
ク吉祥寺他にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社渋谷プロダクションの招待で試
写を観て投稿するものです。

『チネチッタで会いましょう』“Il sol dell'avvenire”
2001年12月紹介『息子の部屋』でカンヌ国際映画祭の最優秀
作品賞(パルムドール)を受賞したナンニ・モレッティ監督に
よる2023年の最新作。
物語の舞台はイタリア映画の中心地チネチッタ。世界最大級
ともされるそのスタジオで、1人の監督が新作の準備を進め
ている。監督はそこまで5年おきに新作を発表していたが、
彼の頭の中にはアイデアが溢れ返っているそうだ。
そんな監督の傍にはプロデューサーでもある妻がいて、音楽
家の娘も彼の作品の作曲を手掛けるまでになっている。つま
り彼の今までの監督人生は、順風満帆を絵にかいたようなも
のだった。
ところが今回は、妻が売り出し中の若手監督のプロデュース
も手掛けることになり、それが徐々に彼の作品に影を落とし
始める。しかも娘にも問題が発生し、遂には妻から離婚の話
まで飛び出してしまう。果たして彼の運命は…。
出演は、主人公を監督自身が演じる他に、監督の作品には常
連のマルゲリータ・ブイ、15年ぶりに登場のシルビオ・オル

[5]続きを読む

09月08日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る