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On the Production
by 井口健二
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■YOLO 百元の恋、ボストン1947、DitOディト、ロイヤルホテル、お隣さんはヒトラー?
ひなびた漁村の様子など、異国情緒もたっぷりと楽しめる作
品になっていた。実に多様に楽しめる作品で、新人監督の今
後にも期待が持てる。
公開は7月26日より、東京地区はヒューマントラストシネマ
渋谷他にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社マジックアワーの招待で試写を
観て投稿するものです。
『ロイヤルホテル』“The Royal Hotel”
ニューヨーク在住で2019年『アシスタント』というデビュー
作品が国際的に評価を受けたキティ・グリーン監督が、同作
に主演のジュリア・ガーナーを再び招き、母国オートラリア
を舞台に描いた女性映画。
主人公はバックパッカーで旅する2人のカナダ人女性。オー
ストラリアにやってきた2人はシドニー湾のクラブ船を楽し
むが、1人が使ったカードに無効が告げられる。そこで2人
はワーキングホリデーで稼ごうとするが…。
2人が紹介されたのは人里離れた鉱山町に佇むパブ。そこは
3代目という飲んだくれのオーナーと、キッチン担当の中年
女性で運営されていたが、客は鉱山で働く荒くれものばかり
だった。
そんな中でも郷に入っては郷に従えと何とかやりくりしよう
とする2人だったが、暴力や脅迫、様々なハラスメントが彼
女たちに襲い掛かる。そしてそれが次第にエスカレートして
行く。
共演は、2015年公開『スター・ウォーズ フォースの覚醒』
や2021年公開『マトリックス レザレクションズ』などに出
演のジェシカ・ヘンウィック。なお主演のガーナーは2012年
11月紹介『マーサ、あるいはマーシー・メイ』に出ていたそ
うだ。
他にナイジェリア出身のヒューゴ・ウィーヴィング、イギリ
ス出身のトビー・ウォレス、ノルウェー出身のハーバート・
ノードラム、共にオーストラリア出身のダニエル・ヘンシュ
オールとジェームズ・フレッシュヴィルら国際的な顔ぶれが
脇を固めている。
何ともはやという感じの作品だが、本作のエンドロールには
‘inspired by a documentary’というような文言があり、プレ
ス資料によると監督は自身が審査員を務めた映画祭に出品の
ドキュメンタリーを観て本作を創作したとのことだ。
つまり本作は実話に基づいているということ。オーストラリ
アのワーキングホリデーに関してはすでにいろいろな問題が
指摘されているようだが、本作は正にその問題を抉り出すよ
うな作品だったものだ。
とは言うもののこの映画では、クルーズ船に始まって荒野を
走る列車や乗り合いバス、さらに迎えの車まで様々な乗り物
の登場も面白い。ただし後半に登場するスポーツカーは燃費
の問題でこの場所には来れそうもないとのことだ。
公開は7月26日より、東京地区はヒューマントラストシネマ
有楽町、新宿武蔵野館、UPLINK吉祥寺他にて全国ロードショ
ウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社アンプラグドの招待で試写を観
て投稿するものです。
『お隣さんはヒトラー?』“My Neighbor Adolf”
1945年4月30日にベルリンの地下壕で自殺したとされるナチ
スの総統。しかしその死は偽装されたものでヒトラーは生き
延びていた。という都市伝説を基に描かれた作品。
プロローグは第2次世界大戦前のポーランド。ユダヤ人一家
の庭には丹精込めた黒薔薇が咲き誇っていた。その薔薇の前
で記念写真を撮る一家だったが、やがて家族は収容所に送ら
れ、ほぼ全員が死を免れなかったようだ。
そして時代は流れて物語の背景は1960年の南米コロムビア。
折しも逃亡していたナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンが捕
縛されたという記事が新聞を賑わしていた頃。とある郊外の
2軒並ぶ家の片方に初老の男が引っ越してくる。
その他方の家の庭には黒薔薇が育てられ、そこには腕に番号
を入れ墨されたユダヤ人の男性が一人で暮らしていた。とこ
ろがある日、引っ越して来た家のジャーマンシェパードが塀
を潜って侵入し薔薇の枝を折ってしまう。
しかも糞をされ、一人暮らしの男性は抗議のために隣家を訪
れるが…。そこで彼が目撃したのは、戦前のチェス大会の会
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06月09日(日)
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