ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459565hit]

■怨泊 ONPAKU、うんこと死体の復権、新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!、助産師たちの夜が明ける、クレオの夏休み
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『怨泊 ONPAKU』“怨泊 Onpaku”
2017年発表の『狂覗』がキネ旬ベスト10に選出され、2019年
発表の『超擬態人間』はブリュッセル国際ファンタスティッ
ク映画祭のアジア部門グランプリに輝いたという藤井秀剛監
督が、2011年4月紹介『ドリーム・ホーム』などの香港 852
Filmsと組んで発表したホラー作品。
主人公は香港の不動産会社でCEOにまで上り詰めた女性。
そんな女性が休暇も兼ねた物件の視察で東京にやってくる。
ところが空港で彼女を出迎えたのは元カレの男性。その彼は
同姓同名だと思ったと言い訳するが…。
そんな彼が最初に案内した物件は下町の古家。その古家は再
開発には手ごろだったが、現状は民泊として違法に営業され
ており、元カレは宿泊者は追い出せると主張したが彼女の眼
鏡には叶わなかったようだ。
ところが元カレが手配したはずのホテルが手違いで予約され
ておらず、他のホテルも満室でやむなく彼女は最初に案内さ
れた民泊に泊まることになる。しかし不気味な事態が発生、
彼女の主張で床下を調べると白骨が転がっていた。
こうして警察も動き出すが、そこには過去からの因縁が渦巻
く事態となって行く。
出演は 852 Filmsの共同創設者で『ドリーム・ホーム』にも
主演していたジョシー・ホー。共演は『ドリーム・ホーム』
や2002年のパン兄弟監督作品『the Eye』 などのローレンス
・チョウ。
そして日本側から高橋和也、黒川智花、酒向芳、水上剣星、
菅原大吉、白川和子らが脇を固めている。
監督自身は「解りやすい映画は嫌いだ」と発言しているよう
だが、その割には本作は解りやすい。その辺はこちらが長く
映画を観ているせいかもしれないが、それでも過去の因縁話
などはもう少し丁寧に描いて欲しかった感じはする。
その辺をしっかり描いて、逆に現代のシーンを端折った方が
判り難くて、監督の意図に合った展開になったのではないか
な。特に警察の話などはただ事件を説明しているだけのよう
な気がして、これは事件そのもので説明して欲しかった。
それに宗教との関係が、もっとドロドロした欲望がらみの話
になって欲しかったかな。この事件が繰り返されているのな
らその背景にも迫って欲しかったものだ。それこそが現代の
闇のような作品なのだから。
公開は7月19日より、東京地区は新宿武蔵野館他にて全国ロ
ードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社フリーマン・オフィスの招待で
試写を観て投稿するものです。

『うんこと死体の復権』
1993年から10年の歳月を掛けて実行された「グレートジャー
ニー」などの冒険家・関野吉晴が、自ら監督となって描いた
人類文明の未来を問うドキュメンタリー。
映画は3章に分けて構成され、その第1章<うんこの行方>
では糞土師を自称する伊沢正名氏を通じて人の排泄物がどの
ようにして自然に還って行くかが論じられる。そこにはいわ
ゆる微生物だけでない様々な生物が介在しているものだ。
続く第2章<生きものの視点に立つ>では、その排泄物を食
べる昆虫などを保全生態学者・高槻成紀氏の活動を通じて紹
介。そして第3章<死体をめぐる攻防と協力>では、絵本作
家・舘野鴻氏が動物の死体を食う生物たちについて語る。
それはいたって科学的な見地から語られているものではある
が、題名の通り題材が題材だけにかなり刺激的な映像も多く
登場してくるものだ。そしてそれらを通じて過去から現代に
至る人類の営みが暴かれて行く。
プロデューサーは2016年3月紹介『ひそひそ星』の記事中で

[5]続きを読む

06月02日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る