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On the Production
by 井口健二
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■ロッタちゃん、アイアンクロー、ブルックリンでオペラを、辰巳、追悼:南部虎弾氏
ただし一部の登場人物に関してはおちょくったままなのは、
監督らの思想的背景がそうなのだろうし、それは小気味よい
感じでもあった。まあ観終わればハッピーという感じの作品
ではある。
なお主人公が作曲するオペラの1曲はエイリアンもののSF
となっており、これは全曲を聞きたくなった。
公開は4月5日より、東京地区は新宿ピカデリー、ヒューマ
ントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋他にて全国ロー
ドショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社松竹株式会社の招待で試写を観
て投稿するものです。

『辰巳』
2015年、第28回東京国際映画祭
にて上映され、同部門の作品賞を受賞した『ケンとカズ』の
小路紘史監督が、同作以来8年ぶりに発表した第2作。本作
は昨年の第36回東京国際映画祭に正式出
品された。
主人公は違法な死体の処理で裏社会に名前が知られているら
しい男。そんな男が組織の内部抗争に巻き込まれ、若い女性
を連れた逃亡を余儀なくされる。その女性は主人公の元カノ
の妹で、姉を殺した組織への復讐を狙っていた。
そして元カノに数少ない信頼を寄せていた主人公もまたその
想いに駆られて行くが…。
出演は、2021年の話題作『ONODA 一万夜を越えて』にも主演
の遠藤雄弥と、2017年11月5日付第30回東京国際映画祭<コ
ンペティション以外>で紹介『アイスと雨音』で主演の森田
想。
その脇を2019年9月22日付題名紹介『ブルーアワーにぶっ飛
ばす』などに出演の後藤剛範、2023年10月紹介『笑いのカイ
ブツ』などに出演の佐藤五郎。さらに倉本朋幸、松本亮、渡
部龍平、亀田七海、足立智充、藤原季節らが固めている。
実は監督の前作は映画祭で観ていたがその際には諸般の事情
で紹介はしなかった。ただ印象的には暴力シーンが過多で自
分の嗜好には合わなかったかなという感じだ。その点は本作
も同じと言える。
これをフィルムノアールと評価するには、ちょっと美的感覚
が違うようにも思えるし、単に裏組織を描いているというだ
けでは物足りないだろう。それに裏組織の描き方も、こんな
ものでいいのかなあ?
ただその甘さみたいなものが、逆にフィルムノアール的と言
われれば、それはそうなのかなあとも思ってしまうところで
はあった。監督自身のインタヴューではファンタシーと捉え
ているということなので、それで良いとも言えそうだ。
公開は4月20日より、東京地区は渋谷のユーロスペース他に
て全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社インターフィルムの招待で試写
を観て投稿するものです。
        *         *
追悼:南部虎弾氏
南部虎弾氏の訃報に接した。
僕は特に故人と知り合いだった訳ではないが、実は一度だけ
故人と酒を酌み交わしたことがある。
それは1987年か88年の頃で、確か東宝の試写室で『となりの
トトロ』を鑑賞したときのことだ。偶然居合わせた知り合い
の広告代理店の社員が南部氏を連れてきていた。
その試写会は昼間だったもので、その後に時間があった我々
は一杯飲もうということになり、日比谷界隈の居酒屋に席を
取った。
そこで何を話したかは記憶が定かでないが、当時はまだダチ
ョウ倶楽部だった南部氏は途中で携帯電話を掛け、「今日は
行かねえから適当にやっててくれ」というようなことを話し
ていたのは記憶している。
それは当時のダチョウ倶楽部が夕方帯の生番組で「プロレス
天気予報」というコーナーに出演していて、そのコーナーは
プロレスの技を一本決めてから天気予報をするというもの。
いつもは2:2のタッグマッチだったものだが、その日はど
うなったのか。
今回南部氏の履歴を調べていたら、ダチョウ倶楽部からの離
脱は1987年頃とあったから、これは本当に末期の頃だったの
だろう。電話の相手は上島竜兵さんだったのかな。今頃天国
でそんな思い出話をしているのかな。
僕の記憶では、最初に試写室から出て来た時にボロボロに泣
いていた印象があり、その後も少しシャイな感じがあって、

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01月28日(日)
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