ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459611hit]
■アウシュヴィッツの生還者、たまつきの夢、あしたの少女、ジェーンとシャルロット
ンとの間に生まれた女優=シャルロット・ゲンズブールが、
監督デビュー作として母親を撮ったドキュメンタリー。
映画は2018年、バーキンの来日公演の舞台袖から始まるが、
そこで一旦途切れて、再開は数年後のニューヨーク。そこに
は様々な葛藤が伺えるが、そんなこともひっくるめてジェー
ンとシャルロットの母子の姿が記録されている。
そこには3度結婚してそれぞれのパートナーと儲けた3人の
娘への想いや、そんな母親に対するシャルロットの想い。さ
らには母子が昔住んでいた家を訪ねるシーンなど、他家の話
ではあるけれど、何となく身に染みる話が描かれる。
僕自身は取り立てて2人のファンではないが、最初のパート
ナーが007シリーズなどの作曲家のジョン・バリーであっ
たり、3番目のパートナーが映画監督のジャック・ドワイヨ
ンであったり、登場する名前にも興味が湧く。
そしてそんな生涯が正々堂々と語られる。そんなことも素晴
らしいと思える。そこに至るまでにはいろいろな葛藤もあっ
たのだろうが、それをしっかりと映像に残したことも称賛に
値する。そんな母子の愛情も感じられる作品だった。
なお巻頭の日本のシーンでは、小津安二郎ゆかりの茅ヶ崎館
なども登場し、日本映画のファンにも興味津々の作品だ。
公開は8月4日より、東京地区はヒューマントラストシネマ
有楽町、渋谷シネクイント他にて全国ロードショウとなる。
06月11日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る