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On the Production
by 井口健二
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■推しが武道館いってくれたら死ぬ、渇水、探偵マリコの生涯で一番悲惨な日、テノール(仮題)
その兄はストリートファイトで日銭を稼ぐような輩で、若者
には幼馴染の女性もいたが、体力自慢の彼女は軍への入隊の
日が迫っていた。そんな中で居場所を突き止められた若者は
オペラ座のレッスン生の道を進み始める。
出演はオーディション番組で優勝して一躍人気者になったと
いうラッパーのMB14。実際に途轍もない美声の持ち主のよ
うで、映画の中でもラップバトルを繰り広げる一方でオペラ
の歌唱にも挑み、そのどちらも自分で歌っている。
共演は1997年『ぼくのバラ色の人生』や2000年『メルシィ!
人生』などのミシェル・ラロック。他にテノール歌手のロベ
ルト・アラーニャらが登場して脇を固めている。
なお本作は、一般のドラマ作品では初めてオペラ座内部での
撮影が許可されたそうで、その絢爛豪華な装飾なども余すと
ころなく撮られている。それにしてもなぜこのような作品に
とも思えるが、映画を観るとなるほどこれはオペラの啓蒙に
も繋がる作品だと理解できた。
実は3月紹介の『ノートルダム炎の大聖堂』を鑑賞したとき
に、東京でこれに匹敵するような建物があるだろうかと考え
たが、本作を観ているとオペラ座も同様にパリを象徴する建
物であることに気づかされた。
それは映画の登場人物たちによってもそのような敬愛を込め
て描かれているもので、歴史の重みというか伝統の深さを感
じさせられた。このような建造物は日本、ましてや東京には
ないとも思い知らされたものだ。
公開は6月、東京は新宿ピカデリー、ヒューマントラストシ
ネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次
ロードショウとなる。

04月02日(日)
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