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On the Production
by 井口健二
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■デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム、TACKA(タスカー)、Winny
ところが本作では、事実上のドラマは第一審の金子氏が有罪
となってしまったところで終わっている。実はその後には金
子氏が7年後に無罪を勝ち取ったことが蛇足のように付け加
えられるが、果たしてそれで良しとするのか。
僕はむしろ逆転無罪となった第二審こそ詳細に描くべきもの
と考える。それは確かに人間ドラマとしては金子氏を悲劇の
ヒーローとする方が印象深くなるのかもしれない。しかし本
作がテーマとすべきは技術者の責任所在の問題なのだ。
そしてそれは海外では問題にもならない事件が、なぜ日本で
は…という司法の在り方の問題も提起する。それがこの作品
では全く明確になったとは言えない。技術者の未来を守るた
めにもそこを描いて欲しかったものだ。
意あって力足らずなのか? 元々その意がなかったのか。い
ずれにしても僕には不満の残る作品だった。
公開は3月10日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他にて全国
ロードショウとなる。

01月22日(日)
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