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On the Production
by 井口健二
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■SKIN、ワンダーウォール(精神0、はちどり、色男ホ、イップ・マン4、アドリフト、水上のF、吉開菜央、心霊喫茶、HOKUSAI、窮鼠はチーズ)
外編としても良かったのではないかな? なお本作はベルリ
ン国際映画祭で部門賞を受賞。公開は5月上旬、東京は渋谷
のシアター・イメージフォーラムでロードショウ。)
『はちどり』“벌새”
(1994年、前年「ドーハの悲劇」で散った日本代表に代って
韓国代表がワールドカップに出場し、北朝鮮の金日成が死ん
だこの年、韓国内は好景気に沸きかえっていた。そんな時代
のノスタルジーに満ちた作品。高学歴化が進み、生徒会長を
務める長男にはソウル大学進学の夢が託され、落ちこぼれた
長女は素行が乱れている。そして次女である主人公には兄の
暴力が振るわれるが、父親に告げても取り合われない。そん
な少女の日常が描かれる。正直に言って僕には何が言いたい
のか皆目不明な作品だったが、韓国では高評価のようだ。劇
中に流れる楽曲など、当時を知る人たちには理解し易いのだ
ろう。そんなあざとさも感じるが、1981年生まれのキム・ボ
ラ監督には正に自分自身を描いているのかもしれない。通常
の鑑賞ではできるだけ作り手の気持ちに沿って観たいと思っ
ているが、これは少し度が過ぎるかな? 公開は4月25日よ
り、東京は渋谷ユーロスペースでロードショウ。)
『色男ホ・セク』“기방도령”
(K-POPアイドル『2PM』のジュノが兵役前最後の主演作で、
韓国初の男妓生の生涯を描いた作品。父親も判らず妓房で生
まれた主人公は、整った顔立ちで年上の妓生には弟のように
可愛がられ、妓房の女将を義母として育ってきた。しかし青
年になっても遊び惚ける毎日だったが、ある日、妓房の経営
が思わしくないと知った彼は、咄嗟にそこに来た客に媚を売
る。ところがその客は男装の麗人で、彼は女性客をもてなす
裏の商売を思いつくが…。これに彼が妹のように可愛がって
いた半玉の悲恋や、彼自身が思いを寄せる令嬢との恋などを
絡めて、烈女堂の場面をクライマックスとした物語が展開さ
れる。内容的には男尊女卑の差別社会などいろいろ語られる
が、そこはアイドル主演の作品、主人公が纏う華麗な衣装な
ども存分に楽しめる。脚本と監督は本作が長編2作目のナム
・デジュン。公開は5月1日より、東京はシネマート新宿他
で全国順次ロードショウ。)
『イップ・マン 完結』“葉問4完結篇”
(2010年11月紹介『イップ・マン/葉問』から続いたドニー
・イェン製作、主演によるシリーズの第4作。途中に別系統
の作品があったりもしたが、これで本家も完結のようだ。物
語の主な舞台は1964年のサンフランシスコ。愛弟子ブルース
・リーに招かれて渡米した詠春拳の達人は、リーと中華総会
との確執や、すでに極真空手を取り入れていた米国海兵隊と
の対立など様々な闘いに巻き込まれる。共演は武術家であり
中国国家話劇院メムバーのウー・ユエ、2017年1月29日題名
紹介『継承』にも出演のチャン・クォックワン。他にアイド
ルグループ『F4』のヴァネス・ウー、2013年1月紹介『ゼ
ロ・ダーク・サーティ』などのスコット・アドキンスらが脇
を固めている。監督はシリーズ全作を手掛けたウィルスン・
イップ。各派の武芸が次々披露され、中で太極拳が武術とし
て描かれているのも面白かった。公開は5月8日より、東京
は新宿武蔵野館でロードショウ。)
『アドリフト 41日間の漂流』“Adrift”
(1983年に起きた海難事故の実話に基づく作品。主人公はサ
ンディエゴ生まれで高校卒業を機に家を飛び出し、世界の海
を渡り歩いて25歳でタヒチにやって来た女性。そこで自作の
ヨットで世界を巡る男性と出逢い、2人で別の船をサンディ
エゴに回航する仕事を引き受けるが…。その航海が突如嵐に
見舞われる。出演は2017年5月紹介『ダイバージェント』な
どのシャイリーン・ウッドリーと、2020年2月紹介『ナイチ
ンゲール』などのサム・フランクリン。脚本と製作は2017年
2月22日題名紹介『モアナと伝説の海』にも携わったという
アーロン&ジョーダン・カンデル。監督は2015年『エベレス
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03月08日(日)
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