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On the Production
by 井口健二
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■CURED、シラノ(僕は猟師になった、HARAJUKU、#ハンド全力、大海原のソングライン、未成年、暗数殺人、ANNA、わたしはダフネ、マルモイ)
通りに行き過ぎているもので、天使と悪魔の対決などがもう
少し本編に絡んで欲しかったかな? 公開は4月18日より、
東京は池袋シネマ・ロサ他で全国順次ロードショウ。)

『#ハンド全力』
(2018年5月13日題名紹介『君が君で君だ』などの松居大悟
脚本、監督で、地震から3年後の熊本を舞台にSNSに翻弄
されながらも前に進む若者たちを描く。主人公は中学時代に
ハンドボール選手だった高校生。震災で競技を断念したが、
チームメイトには県外の高校で活躍している者もいる。そん
な主人公がふとアップした昔の写真にイイネが付く。そして
調子に乗って投稿を続けた主人公は、廃部寸前だった男子部
の救世主となり、自分も大会を目指すようになるが…。出演
は加藤清史郎、醍醐虎汰朗、蒔田彩珠、芋生悠、鈴木福。他
に仲野太賀、志田未来、安達祐実、ふせえり、田口トモロヲ
らが脇を固めている。話はそれなりだが、女子チームは続い
ているのになぜ男子はだめなのかなど、肝心の部分がしっく
りと来ない。突然のSNS炎上の理由も良く判らなかった。
公開は5月15日から熊本県で先行上映の後、5月22日より、
東京はシネ・リーブル池袋他で全国ロードショウ。)

『大海原のソングライン』“Small Island Big Song”
(フィリピンからインドネシア、マレー半島を通り、イース
ター島、マダガスカルに至る太平洋南方諸島の言語が、台湾
原住民の言葉を起源にしているという学説に基づき、その地
域の伝統音楽を結び付けたアルバムを映像化した作品。一つ
のリズムで音楽が繋がって行く様は観ていて気持ちが良い。
しかもそれが各地の特徴ある風景の中で行われるのだから、
音楽ファン、旅行マニアにはたまらない作品と言えそうだ。
ただしそれが一つの曲なのかと言われると覚束ない。そこに
はもう少し学術的な論証が欲しい。実際に映画の中ではそれ
ぞれがヘッドフォンを装着して、恐らくは最初に収録された
リズムに合わせて演奏しているもので、それが一つだという
論証にはならない。むしろこの映像には通信会社のCMを思
い出した。音楽ファン、旅行マニア向けにはそれで良いのだ
ろうが。公開は4月より、東京は渋谷のシアター・イメージ
フォーラム他で全国順次ロードショウ。)

『未成年』“미성년”
(2018年7月紹介『1987、ある闘いの真実』などの俳優キム
・ユンソクが長編映画監督に初挑戦した作品。登場するのは
2人の女子高生。その一方が他方の母親が切り盛りする食堂
を覗いている。それはその母親が彼女の父親の不倫相手だか
らだ。そして彼女は他方の女子に母親に不倫を止めるよう説
得を頼むが…。他方の女子の発言が新たな展開を生じさせ、
事件が起きる。出演はドラマで人気のキム・ヘジュンとオー
ディションを勝ち抜いたパク・セジン。それに2019年11月紹
介『スピード・スクワッド』などのヨム・ジョンアと2019年
5月紹介『工作』などのキム・ソジン。そしてユンソクが父
親を演じる。自分が男性で父親の立場だと何ともはやという
感覚だが、無さそで有りそな巧みな展開のお話だ。オリジナ
ルは舞台劇のようで、ユンソクは脚色も手掛けている。演出
も卒なく正に監督デビュー作という感じだ。公開は5月29日
より、東京はシネマート新宿他で全国順次ロードショウ。)

『暗数殺人』“암수살인”
(上記のキム・ユンソクが刑事役で主演する連続殺人が主題
の実話に基づくとされる作品。麻薬捜査官だった刑事は情報
提供者と密会中を殺人捜査班に踏み込まれる。それは情報提
供者が死体遺棄を行ったというものだったが…。刑事は突然
収監中の犯人に呼び出され、殺人の罪を告白される。それは
7人あるいはそれ以上の連続殺人だった。しかしなぜ犯人は
罪を告白したのか? 自白だけが頼りの捜査は天才的な犯人
の言動に翻弄される。共演は2019年4月紹介『神と共に』な
どのチュ・ジフンと2019年11月紹介『エクストリーム・ジョ
ブ』などのチン・ソンギュ。題名の「暗数」は公的な統計に

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03月01日(日)
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