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On the Production
by 井口健二
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■一度死んでみた(シンカリオン、サヨナラまで、酔うと化け、名もなき、ハスラーズ、続・荒野の、東京不穏、現在地はいづく、彼らは生きて)
監督は、2012年12月紹介『エンド・オブ・ザ・ワールド』な
どのローリーン・スカファリア。前作は終末物のSFと言っ
てもいい作品だったが、今回の作品も観ると前作も併せて女
性の夢みたいなことなのかな? どこまで実話に沿っている
かは判らないが、女性的には小気味よい作品と言えそうだ。
公開は2020年2月7日より、全国ロードショウ。)
『続・荒野の用心棒』“Django”
(2013年1月紹介『ジャンゴ繋がれざる者』や、2007年8月
紹介『スキヤキウェスタン・ジャンゴ』のオリジナルとされ
る1966年製作、セルジオ・コルブッチ原案、脚本、監督によ
る作品が、ディジタル・リストアにより再公開される。物語
の舞台は、南北戦争の終結から間もないメキシコ国境に近い
西部の町。南軍の残党とメキシコの独立派の軍隊が対立する
その町に棺桶を引き摺った流れ者のガンマンが現れる。彼は
処刑されそうになっていた女を助けて町の酒場にやってくる
が、女は疫病神とされているようだ。そして両軍のそれぞれ
とガンマンとの壮絶な戦いが始まるが、ガンマンの行動には
別の目的が隠されていた。出演はこの1作で一躍名を轟かせ
たフランコ・ネロ。共演はロレダナ・ヌシアック、エドゥア
ルド・ファヤルド。突然登場するマシンガンなど、意表を突
く展開も心地よい作品だ。公開は2020年1月31日より、東京
はシネマート新宿他で全国順次ロードショウ。)
『東京不穏詩』
(2011年にCGアニメーターとして来日し、2016年7月紹介
『GANTZ:O』などにも携わったというインド人のアンシェル
・チョウハン監督が日本人の俳優で日本の社会を描いた長編
デビュー作。ブリュッセル・インディペンデント映画祭でグ
ランプリ受賞の作品。主人公は女優を目指して上京したが、
夢半ばでクラブで働いている。そんな彼女が海外映画のオー
ディションに受かった日に強盗に遭い、金を奪われ顔に傷を
負う。そのため逃げるように故郷に帰った彼女だったが…。
主演は2015年の東京国際映画祭で上映された『ケンとカズ』
のヒロイン役で注目された飯島珠奈。本作では各地の映画祭
で3冠を受賞している。物語自体に目新しさは感じないが、
イギリスで演劇を学んだ女優とインド人の監督が、今までの
日本映画にない感覚の作品を作り出している。公開は2020年
1月18日より、東京は渋谷のシアター・イメージフォーラム
他で全国順次ロードショウ。)
『現在地はいづくなりや』
(2016年8月7日題名紹介『だれかの木琴』などの東陽一監
督に取材したドキュメンタリー。1963年の短編映画を出発点
に1971年の『やさしいにっぽん人』で長編デビュー以来、別
名義も含めると20本以上の作品を手掛けた監督が、緑魔子、
烏丸せつこ、常盤貴子らの主演に起用した女優と共に映画論
を繰り広げる。それは論というほど固く苦しいものではない
が、女優との出会いのエピソードなども含めて心地よく聞け
るものになっている。しかもかなり監督の本質にも迫ってい
る感じで、正直僕は今まであまり強い関心を持った監督では
なかったが、改めて各作品を観たくなってくる感じもした。
ただ途中に出てくる監督の後輩にあたる大学教授の発言は言
わずもがなで、それよりもっと監督の意見を聞きたい感じも
したものだ。それにしても女優に愛された監督だなあという
思いはする作品だった。公開は2020年2月22日より、東京は
ポレポレ東中野他で全国順次ロードショウ。)
『彼らは生きていた』“They Shall Not Grow Old”
(『LOTR』や『ホビット』などのピーター・ジャクスン
監督が、大英帝国戦争博物館が所蔵する第1次世界大戦の当
時に撮影された数千時間に及ぶ記録映像の中から約100時間
を選出し、当時は毎秒13コマや16コマで撮影されていた映像
を24コマに補完修復、さらにカラー化と日本では2D公開だ
が本国では3D化して上映した作品。しかも音声にはBBC
の所蔵による実際に第1次大戦に従軍した兵士たちの肉声が
使用され、同時に吹替えのセリフやサウンドエフェクトなど
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12月22日(日)
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