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On the Production
by 井口健二
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■JAPAN CONTENT SHOWCASE[烈火英雄、ひとくず、恋の豚、星屑の町、白蛇・縁起]+(太陽の家、デニス・ホッパー/狂気の旅路、ラストムービー)
会があれば改めて紹介する。
“白蛇・縁起”
NHK朝の連続テレビ小説でも描かれた日本初のカラー長編
アニメーション『白蛇伝』の基になった中国の民話を、新た
にCGIアニメーションで制作した作品。
物語は中国奥地の蛇採りを生業とする村を舞台に、なかなか
蛇を採れない若者と白蛇の精との交流が描かれる。そこに村
の征服を狙う朝廷の権力者らが絡んで展開されて行く。
実はこの作品も日本語字幕なしの、中文字幕と英語字幕だけ
で鑑賞したもので、物語の細かいところがあまり把握できな
かった。しかし映画の後半は妖術を駆使する闘いの連続で、
そのアクションは楽しめたかな。
とは言うものの東映版で描かれた若者と妖魔の切ない恋物語
はあまり活かされておらず、大人の観客としては多少物足り
ない感じだったが、eゲーム世代の若者にはこの方が良いの
かな?
本国では2019年1月11日に公開された作品で、日本公開はま
だ決まっていないようだ。
この週は他に
『太陽の家』
(2019年にデビュー40年を迎えた歌手の長渕剛が、1999年の
『英二』以来となる20年ぶりの映画出演を果たした作品。長
渕が演じるのは大工の棟梁。性格は生真面目だが女に弱く、
しかし女房には頭が上がらない。そんな主人公が保険の外交
ウーマンに目を留める。そして何かと気に掛け始めるが、彼
女はシングルマザーで1人息子が父親を知らずに育っている
ことを気にしていた。そこで主人公はその子を男にしてやる
と張り切るが…。長渕が20年間映画に出なかった理由は知ら
ないが、まあはまり役とも言える役柄をうまく演じて見せて
いる。共演は飯島直子、山口まゆ、瑛太、広末涼子。それに
オーディションで選ばれた子役の潤浩。さらに上田晋也、柄
本明らが脇を固めている。脚本は2010年8月紹介『桜田門外
ノ変』などの江良至。監督は2015年『TRASH トラッシュ』な
どの権野元が担当した。公開は2020年1月17日より、東京は
TOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショウ。)
『デニス・ホッパー/狂気の旅路』“Along for the Ride”
『ラストムービー』“The Last Movie”
(1970年『イージー・ライダー』で一躍時代の寵児となった
監督が、最終編集権を保持するという最大限の自由度で制作
し、映画祭では好評を博したものの芸術ゆえの難解さで長期
に亙りお蔵入りとなっていた1971年の作品が4Kリマスター
により公開される。その物語はアンデスの山中の村に西部劇
の撮影隊が赴き、そこでの行為が純朴だった村人に様々な影
響を及ぼして行くというものだが…。正直に言って今観ても
支離滅裂で理解に苦しむもの。そして今回は同時上映される
ドキュメンタリーでは、その混乱した製作過程を中心に監督
の半生が描かれる。これを観ると当時のドラッグ文化の狂乱
ぶりが手に取るように判るというものだ。とは言うものの、
『イージー・ライダー』に熱狂してアメリカン・ニューシネ
マに狂喜した世代としては、何ともやりきれない思いもして
しまった。公開は12月20日より、東京は新宿シネマカリテ他
で2作品同時に全国順次ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
なお次回は東京国際映画祭の期間中のため休載します。
10月27日(日)
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