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On the Production
by 井口健二
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■GHOST MASTER(CLIMAX、バウハウス…、淪落の人、ひつじのショーン、テルアビブ・オン・F、だってしょうがない、家族を想う、THE UPSIDE)
出演は、2007年1月紹介『パラダイス・ナウ』でも共演のカ
イス・ナシェフとルブナ・アザバル。さらに2008年東京国際
映画祭で上映『時の彼方へ』などのヤニブ・ビトン、2018年
3月18日題名紹介『ガザの美容室』などのマイサ・アブドゥ
ル・エルハディ。ほとんどの出演者はイスラエル/パレスチ
ナ人で、脚本と監督もパレスチナ人のサメフ・ゾアビだが、
主な撮影はルクセンブルグで行われており、本作の国籍も同
国になるようだ。公開は11月22日より、東京は新宿シネマカ
リテ他で全国順次ロードショウ。)
『だってしょうがないじゃない』
(2009年4月紹介『美代子阿佐ヶ谷気分』などの坪田義史監
督が、発達障害で障害者年金二級を受給している親戚の男性
を撮影したドキュメンタリー。元はと言えば監督自身が精神
に不調を感じたことからこの親戚の存在を知り、急遽取材に
向かったということで、その時の心境はどのようなものだっ
たのかな? いずれにしても好奇の目ではない、真剣なまな
ざしで状況が捉えられている。それは数年前にそれまで40年
間男性の面倒を見てきた母親が他界し、その後を引き継いだ
叔母の手続きで障害者の認定を獲得。そのお陰で公的な支援
が得られているというものだが。その叔母も近くにいる訳で
はなく、また高齢で先行きには大きな不安が存在している。
映画には庭の大きな桜の樹を落ち葉が処理できないという理
由で切り倒す話などもあって、日本の福祉の根幹が描かれて
いる感じもした。公開は11月2日より、東京はポレポレ東中
野他で全国順次ロードショウ。)
『家族を想うとき』“Sorry We Missed You”
(前作『わたしは、ダニエル・ブレイク』で2度目のパルム
ドールに輝き、引退宣言をしていたイギリスのケン・ローチ
監督が再びメガホンを持った作品。優秀な介護士の妻と多感
な息子、それに幼いが聡明な娘と共に暮らす主人公は、フラ
ンチャイズ制の運送業に職を得るが…。様々な状況が一家を
追い詰めて行く。それは現代社会が直面するグローバル化な
どの弊害が、庶民の目線から鋭く描かれたものだ。出演はい
ずれもオーディションで選ばれた映画初出演のクリス・ヒッ
チェン、デビー・ハニーウッド、リス・ストーン、ケイティ
・ブロクスター。無名の俳優たちが正に隣人のような現実感
を生み出している。実は原題にはネガティヴなイメージを持
っていたが、調べるとポジティヴな意味合いが強いようで、
それを知って最後に希望を持たされた感じもした。とは言え
現実の厳しさが真っ向から描かれた作品だ。公開は12月13日
より、東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『THE UPSIDE−最強のふたり−』“The Upside”
(2011年10月30日付「東京国際映画祭」で紹介しグランプリ
を受賞した作品のハリウッドリメイク版。オリジナル版に関
して、僕は紹介の翌日記した講評で最高賞に選ばなかった。
その理由は描かれた主人公らの行動がかなり嫌味に感じられ
て納得できなかった点による。その点がリメイクではそれな
りに洗練されて、俗物的な面はありはするものの、観ていて
嫌味には感じ取れないものになっていた。しかもその俗物性
からの脱却みたいなものも心地よく描かれていたものだ。出
演は、2017年10月8日題名紹介『セントラル・インテリジェ
ンス』などのケヴィン・ハートと、2018年4月22日題名紹介
『30年後の同窓会』などのブライアン・クランストン。さら
に2018年11月11日題名紹介『バハールの涙』などのゴルシフ
テ・ファラハニ。そしてオスカー女優のニコール・キッドマ
ン。監督は2011年8月紹介『リミットレス』などのニール・
バーガー。公開は12月20日より、全国ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
10月20日(日)
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