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On the Production
by 井口健二
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■その瞬間:僕は泣きたくなった、KIN(いのちのスケッチ、犬鳴村、再会の夏、最初の晩餐、ゾンビ、IT イット THE END、*東京国際映画祭)
に対して、清水監督の『呪怨』は理不尽さが強かったもの。
その点では少しはぐらかされた感じもした。充分怖い作品だ
が…。公開は2020年2月7日より、全国ロードショウ。)

『再会の夏』“Le collier rouge”
(1933年生まれのジャン・ベッケル監督が、ゴンクール賞受
賞の作家ジャン=クリストフ・リュファンによる史実に基づ
くとされる小説を脚色、映画化した作品。拘置所の前で盛ん
に吠える犬の描写に始まり、収監されている飼い主との第1
次世界大戦を背景にした困難な日々が描かれる。真面目な農
夫は、山羊飼いの女性と愛し合っていたが、命じられるまま
に戦場に征き偶然挙げた武勲でレジオンドヌール勲章に叙せ
られる。しかしそれが収監の原因となる。そんな男の姿が、
調査に来た検察官の目を通して語られる。最も悲惨とされる
大戦を映した反戦色の濃い作品だ。出演は2011年10月30日付
「東京国際映画祭」で紹介『最強のふたり』などのフランソ
ワ・クリュゼと、2018年3月4日題名紹介『ダリダ〜あまい
囁き〜』などのニコラ・デュヴォシェル、2016年『消えたア
イリス』などのソフィー・ヴェルベーク。公開は12月13日よ
り、東京はシネスイッチ銀座他で全国ロードショウ。)

『最初の晩餐』
(短編映画やCM、MTVなどを数多く手掛け、本作が長編
デビューとなる常盤司郎脚本、監督によるかなり複雑な背景
を持つ家族の物語。駆け出しカメラマンの主人公は、仕事も
うまくいかない中、父親の葬儀で故郷に帰ってくる。そこに
は母親や姉もいるが、実は姉弟と母親には血の繋がりがない
ようだ。そして母親が通夜のふるまいを勝手にキャンセルし
て自分で作ると言い出したことから、その食事を巡って一家
の歴史が振り返られる。出演は染谷将太、戸田恵梨香、窪塚
洋介。それに斉藤由貴、永瀬正敏。また森七菜、楽駆、牧純
矢、外川燎らがそれぞれの子供時代を演じ、他に菅原大吉、
玄理、山本浩司らが脇を固めている。案外ありそうな家族だ
が、実は長男の立場が良く判らず、他にも実母が居ない理由
も不明瞭。この辺はもう少し欲しかった。いろいろ出てくる
山男の料理みたいなものは面白かったが…。公開は11月1日
より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロードショウ。)

『ゾンビ』“Dawn of the Dead”
(今も続くゾンビ映画ブームの嚆矢となったジョージ・A・
ロメロ監督の1978年作品が、当時の日本初公開版の復元とい
う形で再公開される。実は当時の公開では配給の日本ヘラル
ドが日本人の嗜好に合うようにいろいろ細工していたのだそ
うで、日本版独自の演出が施されたものだ。その日本版を僕
は試写では見ておらず、ロードショウも見逃して地方公開で
観たものだが、その際の後ろの座席で女子高校生のグループ
がハンバーガーを食べながら観ていて、途中で「もう食べら
れない」と言っていたのを思い出す。今にしてみればそれほ
どでもないが、40年前だとJKも初心だったということだろ
う。因に途中でストップモーションになったり、色が無くな
ったりするのは映倫審査の結果で、当時は他の作品でも観ら
れた「演出」だ。ただ巻頭のシーンがオリジナルにはなかっ
たというのは凄い。公開は11月29日より、東京はヒューマン
トラストシネマ渋谷他で全国順次ロードショウ。)

『IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
                 “It: Chapter Two”
(2017年10月1日付で題名紹介したスティーヴン・キング原
作作品の第2章。前作から27年後。再び襲う“それ”の恐怖
に、前作を生き延びた落ち毀れグループが再挑戦する。出演
はジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャステイン、ビル
・ヘイダー、イザイア・ムスタファ、ジェイ・ライアン、ジ
ェームズ・ランソン、アンディ・ビーン、ビル・スカルスガ
ルド。前作のシーンも挿入されるが、子役と似ていたり似て
いなかったりも面白い。そして物語はホラーというよりSF
的な展開になって行き、それが2時間49分たっぷりに楽しま

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09月29日(日)
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