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On the Production
by 井口健二
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■パペット大騒査線(漂うがごとく、私の20世紀、ぼくの好きな、ジ・アリンズ、少年たち、ザ・プレイス、Be with You、セメント、ワイルドT)
ター・イメージフォーラム他で全国順次ロードショウ。)
『映画 少年たち』
(ジャニー喜多川の企画・構成・総合演出で1969年に初演さ
れた舞台を、ジャニー喜多川の製作総指揮の許、ジャニーズ
Jr.内のグループ SixTONES、Snow Manらの主演で映画化した
作品。舞台は少年刑務所。そこでは刑に服す少年たちがいく
つかのチームに分れ、抗争を繰り返しながら生活していた。
そこに新任の所長が着任し、規律が厳しくなる。そんな中で
少年たちには親の病や妻の出産などで、脱獄を試みる者が現
れる。それはチームを超えた動きになるが…。監督は2018年
5月13日題名紹介『空飛ぶタイヤ』などの本木克英。映画の
巻頭8分に及ぶ歌と踊りによるワンカットのシーンが登場、
これは中々の迫力だった。撮影は、1908年に建築され、戦後
は少年刑務所としても運用されて2017年に閉鎖、同時に国の
重要文化財に指定された「旧奈良監獄」で行われ、放射状に
延びた収容棟などが映像に収められている。公開は3月29日
より、東京は新宿ピカデリー他で全国ロードショウ。)
『ザ・プレイス 運命の交差点』“The Place”
(街角のカフェ、その奥の席に1人の男が座っている。男の
前には様々な男女が入れ替わりに座り、男に願い事を語る。
男は彼らにある使命を告げ、それが達成されれば願いは叶う
と語る。そんな物語が座席の周囲だけで展開される。使命は
かなり過激なもので、直感的には男は悪魔とも思えるが、結
末は必ずしも不幸ではないようだ。オリジナルはテレビの連
続ドラマだそうだが、映画は各エピソードが複雑に絡み合っ
て、それは見応えのある作品だった。脚本と監督は、2017年
1月紹介『おとなの事情』などのパオロ・ジェノヴェーゼ。
今回も一筋縄ではいかない作品だ。出演は前作にも出ていた
バレリオ・マスタンドレア。他にも同作に出ていたマルコ・
ジャリーニ、アルバ・ロルバケルらが脇を固めている。男は
奇跡を起こしているかもしれないが、またそれは偶然かもし
れず。ただ、ある仕掛けは施しているが…。公開は4月5日
より、東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『Be with You いま、会いにゆきます』“지금 만나러 갑니다”
(2004年に竹内結子、中村獅童主演で映画化された市川拓司
原作大ヒット作品の韓国版リメイク。雨の日に夫と幼子を残
して逝った妻が、1年後の梅雨の始まった日に甦ってくる。
しかし彼女は記憶を失っていた。それでも家族の献身で元の
生活が戻ってくるが…。それは梅雨が続いている間だけのこ
とだった。出演は、2009年1月紹介『映画は映画だ』のソ・
ジソブと、2013年5月紹介『ザ・タワー』などのソン・イェ
ジン。女優は2005年7月紹介『私の頭の中の消しゴム』にも
主演している。他に新人子役のキム・ジファン、2012年8月
紹介『高地戦』などのコ・チャンソクらが脇を固めている。
脚本と監督は、8年前に原作本を読んで以来企画を温めて来
たというイ・ジャンフンのデビュー作。そこにチョ・サンユ
ン撮影監督、チェ・ギホ美術監督、パン・ジュンソク音楽監
督ら韓国映画の精鋭が結集した。公開は4月5日より、東京
はシネマート新宿他で全国ロードショウ。)
『セメントの記憶』“Taste of Cement”
(復興の建設バブルに湧くレバノンの首都ベイルートで働く
シリア人労働者の目を通して、戦争による破壊と再建を描く
ドキュメンタリー。監督のジアード・クルスームはシリア出
身、過去には政府軍に徴兵されたことで悲惨な自国民同士の
殺し合いも目撃したという。そんな監督が語るのは、戦闘で
破壊された瓦礫に埋もれた時に口に入ったセメントの味と、
出稼ぎでベイルートに行った父親が持ち帰った海を描いた絵
画の思い出。その監督のモノローグに重ねて建設現場の景観
と激しい戦闘の模様が対比的に描かれる。それは所謂ナレー
ションを排した映像詩とも言える手法だが、描かれる内容は
激烈だ。そして建設現場では32階からのオーシャンヴューと
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01月27日(日)
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