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On the Production
by 井口健二
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■あした世界が終わるとしても、緊急検証!THE MOVIE、コンジアム、サスペリア(美人が婚活してみたら)
ントを写すには適当だが、廃墟への潜入では顔よりも周囲の
状況が観たいのであって、ここで顔や鼻の穴のアップが続く
のには美形俳優でも辟易した。策の弄し過ぎかな。
また逆に、2018年12月紹介『岡本太郎の沖縄』で途中に挿入
された劣化の激しいフィルムの映像には、かなりファンタス
ティックな感覚もあったもの。新しい技術だけでなく、過去
の技術の再利用も、この種の作品には生きてきそうだ。
公開は2019年3月23日より、東京はシネマート新宿他で全国
順次ロードショウとなる。

『サスペリア』“Suspiria”
実はこの作品の試写は少し前に観たものだが、その時は内覧
試写ということで資料がなく。後日の資料の送付を待ってい
たが未着のまま。そこで年を越してしまうのも何なので、多
少あやふやではあるが記憶を頼りに紹介する。
1977年に公開のダリオ・アルジェント監督、名作ホラー映画
を、2018年1月28日題名紹介『君の名前で僕を呼んで』など
のルカ・グァダニーノ監督がリメイクした作品。
そのリメイクでは、時代をオリジナルの公開時期に設定し、
当時の社会情勢も絡めた物語に再構築している。
主人公はヨーロッパの名門バレエ団に入団するためアメリカ
からやってきた少女。才能豊かな彼女は入団直後のオーディ
ションで注目され、直ちに大きな役を与えられる。ところが
カリスマ振付師の直々のレッスンを受ける彼女の周囲では、
ダンサーたちが次々に失踪する事件が起きていた。
その事件には警察も動いていたが、バーダー・マインホフ事
件の影響などもあり、本件の捜査は中々進んでいなかった。
それでも姿を消したダンサーが治療を受けていた心理療法士
の博士の許にも捜査員が訪れる。そして独自の捜査を開始し
た博士は、徐々にバレエ団の闇に近づいて行くが…。
出演は、2017年4月16日題名紹介『フィフティ・シェイズ』
シリーズなどのダコタ・ジョンスン。
その脇をティルダ・スウィントン、クロエ・グレース・モレ
ッツ、2014年『ニンフォマニアック』などのミア・ゴス、さ
らにオリジナルに主演したジェシカ・ハーパーらが固めてい
る。因にスィントンは隠しキャラを含め3役を演じている。
1977年のオリジナルは、実はオカルトに狎れていなかった僕
にはストーリーが良く理解できなかった。しかしその点は、
2009年2月紹介『サスペリア・テルザ』などで明瞭になって
いたもので、それを踏まえた本作はしっかり鑑賞できた。
その本作の背景となるオカルトの物語はオリジナルと同じだ
が、それなりのスプラッター的なシーンはあるものの、敢え
て恐怖を煽るような演出はなく、むしろ文学的とも言える作
品に仕上げられている。
オリジナルの公開時には、サーカム・サウンド(インターナ
ショナル・サウンドを利用した疑似立体音響)などの仕掛け
も施されたが、本作は上映時間152分の重厚な大作。正直に
は、少女が1人で暗い街並みを歩くぞくぞくする感覚も味わ
いたかったが、評価が賛否両論というのも頷ける作品だ。
公開は2019年1月25日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他で
全国ロードショウとなる。

この週は他に
『美人が婚活してみたら』
(漫画アプリで長期間ランキング1位を続けたという原作コ
ミックスを、2017年9月24日題名紹介『勝手にふるえてろ』
などの大九明子監督が映画化。長年不倫の恋ばかりしてきた
30代の美人デザイナーが、大きな恋を終えた反動の燃え尽き
症候群から一念発起。婚活サイトに登録したり、婚活BAR
に通い始めるが…。出演は黒川芽以、臼田あさ美。相手役に
中村倫也、田中圭。他にレイザーラモンRG、矢部太郎らも
登場する。まあ正直に言って、今時ではない男性の自分には
よく判らないお話で、評価にも苦しんでしまう作品だった。
でもこれが今時の女性の姿なのかな。映画の流れとしては、
今時のデートの手解きみたいなものも欲しい感じもしたが、
それは今更なのだろう。いずれにしても僕が関る可能性は0
の話だから、これはこれで良しとしたい。公開は2019年3月

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12月30日(日)
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