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On the Production
by 井口健二
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■かぞくわり、デイアンドナイト(ムトゥ、マダムのおかしな晩餐会、ヴィヴィアン・W、猫カフェ、ボヘミアン・ラプソディ、共犯者たち)
“Westwood: Punk, Icon, Activist”
(パンクバンド=セックス・ピストルズのプロデューサーと
しても知られるイギリスのファッションデザイナーを追った
ドキュメンタリー。と言ってもバンドとの関係に関しては本
人が多くは語らない。しかしバンドと共に前衛的なパンクの
スタイルを流行させたのは彼女自身であり、特にそこからの
変遷が明確に語られないと、僕には本作の意図が判らなくな
った。しかも作品では時系列がやたらと前後し、それはこの
分野に詳しい人にはこれで良いのかも知れないが、部外者の
目からは混乱してしまう部分も多かった。でもまあ、それで
も彼女の凄さは伝わってくるのかな。ましてや環境保護との
関係などが語られると、これはもう認めるしかない作品にも
なってくる。それにしてもこんなに行動力のあるデザイナー
も少ないのではないかな。その方向性が全て正しいものかど
うかは判らないが。公開は12月28日より、東京は角川シネマ
有楽町他で全国順次ロードショウ。)
『猫カフェ』
(秋葉原に実在する猫カフェを舞台に、そこに集う人たちの
様々なエピソードを描いた4篇の短編からなる作品。それぞ
れのお話はグループの中で人気の延びないアイドルに、痴呆
の老母を介護する女性。娘に会えない離婚した父親と、生徒
に自殺された教師といった具合で、それなりに現代を反映し
てはいる。ただ上映時間が短いせいかそれぞれの話はさほど
深く描かれたものではなく、物足りなさが募るかな。でもま
あこんな風に総花的に描くのも意味がない訳ではないかもし
れない。出演は人気声優の久保ユリカが実写映画初主演。他
にグラビアモデルの小倉優香、さらに宮下順子らが脇を固め
ている。監督は2014年『怖すぎる話 劇場版』の沖田光。エ
ンドクレジットによると、製作には東京MXテレビが加わっ
ていたようで、連続シリーズでもっと多くのエピソードを描
いたら、それなりのものも出てくるかな。公開は12月1日よ
り、東京はシネ・リーブル池袋他で全国ロードショウ。)
『ボヘミアン・ラプソディ』“Bohemian Rhapsody”
(イギリスのロックバンド=クイーンでリードヴォーカルを
務めたフレディ・マーキュリーの姿を追ったドラマ作品。歌
手の生涯は著名であり、特にその結末は僕らでも知っている
ものだが、2012年11月紹介『クイーン ハンガリアン・ラプ
ソディ』に感動した者としては、それがどのようにドラマ化
されるかに興味があった。そしてそれは、コンサート自体は
違うものの正に力技で組み伏せられるような、圧倒的な迫力
で再現されていた。出演は2012年12月紹介『ザ・マスター』
などのラミ・マレックと、2007年6月紹介『ミス・ポター』
などのルーシー・ボイントン。他に、『POTC』のトム・
ホランダー、『シュレック』のマイク・マイヤーズらが脇を
固めている。監督は『X−メン』シリーズなどのブライアン
・シンガー。なお製作にはクイーンのブライアン・メイとロ
ジャー・テイラーも関っており、劇中の歌唱は全てフレディ
本人のものだ。公開は11月9日より、全国ロードショウ。)
『共犯者たち』“공범자들”
(李明博と朴槿恵政権による約9年間にわたる言論弾圧を描
いた韓国製ドキュメンタリー。2008年、狂牛病問題などで国
民の支持を失いかけた李政権はメディアへの介入を開始。公
共放送局のKBSとMBCでは政権に批判的な経営陣が排除
され、記者たちは非制作部門へと追いやられた。これに対し
て労働組合はストライキで対抗するも、政権が送り込んだ経
営陣は解雇や懲戒処分を繰り返し、検察も容赦なくストを弾
圧する。そんな事態を招いた「主犯」と権力に迎合した業界
内の「共犯者たち」にカメラを向け、事件の構造が明らかに
される。と言っても、事件は進行中の部分もあり、部外者に
は少し判り難いかな。まあ韓国国民にはこれで充分なのだろ
うけど…。公開は12月1日より、東京はポレポレ東中野他で
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10月28日(日)
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