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On the Production
by 井口健二
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■single mom、ボクはボク(ピアソラ、おかえり、アラン・デュカス、ハナレイ、ぼけますから、選挙に出たい、Journey、ヨーロッパ横断)
の、どちらもワイン生産の面白さやいろいろな問題は判り易
く紹介されていた。特に本作では、それぞれの家族の機微が
巧みに描かれ、さすがベテラン監督の手腕とも思わされた。
また四季の変化を定点カメラで写した映像も見事だった。公
開は11月17日より、東京はYEBISU GARDEN CINEMA他にて全国
順次ロードショウ。)
『アラン・デュカス 宮廷のレストラン』
“La quête d'Alain Ducasse”
(2018年8月に他界したジョエル・ロブションと並び、ミシ
ュランで最も多くの星を獲得したとされるフランスの料理人
に2年間の密着取材を敢行したドキュメンタリー。1990年、
33歳の時に史上最年少での3ツ星を獲得。世界に展開される
20以上のレストランで合計18もの星に輝いている料理人が、
新たにヴェルサイユ宮殿の中にレストランを開店する。その
準備の様子と、料理人が世界各地を飛び回って現地の食材を
試したり、新たな食材を求めて行く姿が描かれる。その中で
は中国でチョウザメを養殖して最高級のキャビアを作り出し
たり、モンゴルのゴビ砂漠でチンギスハンの都カラコルムを
訪ねたり…。その一方で料理人はフィリピンのマニラに調理
師学校を設立し、そこではストリートチルドレンに奨学金を
与えて料理人を育ててもいる。そんな世界を股に掛けた料理
人の活動がカメラに収められている。公開は10月13日より、
東京はシネスイッチ銀座他で全国順次ロードショウ。)
『ハナレイ・ベイ』
(2011年1月紹介のドキュメンタリー『ピュ〜ぴる』などの
松永大司脚本、監督で、2005年に発表された村上春樹の短編
集「東京奇譚集」に収録の同名小説を実写映画化した作品。
物語はハワイでのサーフィン中の事故で息子を亡くしたシン
グルマザーの女性が、遺体の確認後に事故の起きた浜辺に向
かう。そこでひと時を過ごした女性は、その後は毎年命日の
頃に浜辺を訪れ、数週間を過ごすようになる。その10年後、
女性は亡くなった時の息子と同じような年頃の日本人の若者
から、浜辺で片足の日本人サーファーを見掛けたと教えられ
る。その風体は息子に似ていたが…。出演は2018年7月29日
題名紹介『母さんがどんなに僕を嫌いでも』などの吉田羊、
同年4月15日題名紹介『虹色デイズ』などの佐野玲於、同年
8月12日題名紹介『銃』などの村上虹郎。他に佐藤魁、栗原
類らが脇を固めている。公開は10月19日より、東京は新宿ピ
カデリー他で全国ロードショウ。)
『ぼけますから、よろしくお願いします』
(自らの乳がん闘病記で海外映画祭での受賞を果たしたTV
ディレクターの信友直子が、認知症の母親と耳の遠い父親を
題材に描いたドキュメンタリー。僕の両親はすでに亡いが、
母親が認知症を患っていたこともあり、他人事では観られな
い作品だった。特に部屋の中に無造作に置かれた石油ストー
ブなどを見ると、ハラハラしてしまう場面も多くなってしま
った。だから一緒に観た他の人たちのように笑ってばかりで
はいられなかったが、作品にはユーモアも込められ、また愛
情もたっぷりに作られていた。内容的には2014年5月紹介や
2018年4月15日題名紹介の『毎日がアルツハイマー』もあっ
たから、特段記すようなものでもないが、どちらも介護する
側が元気でないとやっていけないなとは思わされた。それと
本作では、過去の映像が残っていることに現実の厳しさも感
じてしまった。公開は11月3日より、東京はポレポレ東中野
他で全国順次ロードショウ。)
『選挙に出たい』
(2015年に行われた統一地方選挙で東京都新宿区区議会議員
に立候補した元中国人の男性を、日本在住中国人の女性監督
が追ったドキュメンタリー。男性は来日から20年。来日直後
に訪れた新宿歌舞伎町で、外国人観光客相手に飲食店や風俗
店を紹介する案内業を始め、やがて「歌舞伎町案内人」と題
する著書も出版して知られた存在となる。そんな彼が母国籍
を捨て、日本に帰化して選挙に立候補する。しかしこれには
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09月30日(日)
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