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On the Production
by 井口健二
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■あいあい傘、赤毛のアン(音量を上げろ、バルバラ、ビブリア、ボーダーL、ライ麦畑、あまねき、ファイティン、心魔師、ういらぶ、死霊館)
に疎い僕にはよく判らなかった。でもまあアーティストが全
身全霊を込めて作品に向かって行く姿が、その作品の登場人
物とそれを演じる女優という両面から追及されていることは
理解できる。バルバラという歌手はフランスでは神話とまで
言われるようだが、そんなある種の神秘性も本作の描く目的
なのだろう。公開は11月16日より、東京は渋谷Bunkamura ル
・シネマ他で全国順次ロードショウ。)

『ビブリア古書堂の事件手帖』
(2011年からKADOKAWAメディアワークス文庫より刊行されて
いる三上延原作、文庫本書き下ろしシリーズからの映画化。
同作からは2013年に剛力彩芽の主演によるドラマ化があった
が、今回は黒木華と野村周平のW主演で長編映画化された。
物語は原作の第1巻をベースにしたもので、夏目漱石『それ
から』と太宰治『晩年』の古書を巡って本の落書きに秘めら
れた物語が描かれる。作中では古書に関する薀蓄も多く聞か
れ、本好きには堪らない作品だ。共演は成田凌、夏帆、東出
昌大。ただし映画化の脚本にはかなりアレンジが加えられて
いるようで、これは論議を呼ぶことになるのかな? 脚本は
2017年1月紹介『3月のライオン』などの渡部亮平と2016年
12月4日題名紹介『傷だらけの悪魔』などの松井香奈。監督
は2017年6月18日題名紹介『幼な子われらに生まれ』などの
三島有紀子が担当した。公開は11月1日より、東京はTOHOシ
ネマズ日比谷他にて全国ロードショウ。)

『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』
            “Sicario: Day of the Soldado”
(2016年1月紹介『ボーダーライン』に登場したベニチオ・
デル=トロとジョッシュ・ブローリンのキャラクターを中心
に、米墨国境での違法移民と麻薬カルテルを巡る新たな戦い
を描いた作品。本作の作戦は、麻薬王の娘を誘拐し、彼女を
対抗するカルテルの本拠地に拉致することでカルテル間の抗
争を引き起そうというもの。それは当然違法な作戦だった。
ところが事態は思わぬ方向に展開し、作戦は中止。軍以外の
当事者の抹殺が指令される。その状況下で麻薬王に家族を殺
された元検事と麻薬王の娘の必死の逃亡が始まるが…。脚本
は前作でオスカー候補になったテイラー・シェリダン。監督
にはイタリア人のステファノ・ソッリが起用された。共演は
2017年7月16日題名紹介『トランスフォーマー』などのイザ
ベラ・モナー。他にジェフリー・ドノバン、キャサリン・キ
ーナーらが脇を固めている。公開は11月16日より、東京は角
川シネマ有楽町他で全国ロードショウ。)

『ライ麦畑で出会ったら』“Coming Through the Rye”
(2007年9月紹介『チャプター27』などにも描かれたJ・
D・サリンジャーの小説に影響を受けた若者を主人公にした
作品。本作の背景は1969年。級友と馴染めず孤独な高校生活
を送っている主人公は小説に感銘を受け、演劇作品にするこ
とを思いつく。しかし原作者の許可が必要と教えられ、演劇
サークルで出会った女友達と共に隠遁生活を送る作家探しの
旅に出るが…。2010年に没した原作者は生前に一切の映画化
を認めていなかったそうで、これは苦肉の策なのかな。でも
ある意味原作より可愛い青春作品に仕上がっている。製作、
脚本、監督は1952年生まれで、テレビ出身のジェームズ・サ
ドウィズ。出演は、2017年3月26日題名紹介『パトリオット
・デイ』などのアレックス・ウルフと、2010年公開『ラブリ
ー・ボーン』などのステファニア・オーウェン。それにクリ
ス・クーパー。公開は10月27日より、東京は新宿武蔵野館他
で全国順次ロードショウ。)

『あまねき旋律』“kho ki pa lü”
(インド北東部の山間に位置するナガランド州。ナガという
民族の暮らすその土地では、棚田での農作業はグループごと
に行われ、そこで「リ」と呼ばれる伝承歌が歌われる。それ
は1人が声を発するとそれに呼応して他の誰かが歌い出し、
それが山々に広がって行く。その内容は季節や友愛など生活

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08月26日(日)
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