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On the Production
by 井口健二
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■ルパ・パト/ライダー(嘘はフィク、ガンジス、3D彼女、モルゲン、アント、若おかみ、スカイL、ギャングース、彼らの原発、パパはわる)
8月31日より、全国ロードショウ。)

『若おかみは小学生!』
(令丈ヒロ子原作、累計発行部数が300万部を超えるという
講談社青い鳥文庫の人気児童文学シリーズからのアニメ化。
両親を交通事故で亡くし、祖母の営む老舗旅館で暮らすこと
になった小学生の主人公が、その旅館に出没する幽霊や魔物
と交流し、また祖母を助けたいという気持ちから、若おかみ
として仕事を手伝うことになる。そして来る人は拒まないと
いう方針で訪れるいろいろな客たちとの交流や、ライヴァル
旅館などとの様々な問題を通じて女将として成長して行く姿
を描く。声の出演は人気子役の小林星蘭と、歌手声優の水樹
奈々、声優の松田颯水。さらに薬丸裕英、鈴木杏樹、ホラン
千秋、設楽統、山寺宏一らが脇を固めている。脚本は2017年
3月紹介『夜明けを告げるルーのうた』などの吉田玲子、監
督は2003年公開『茄子 アンダルシアの夏』などの高坂希太
郎。公開は9月21日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他で全
国ロードショウ。)

『スカイライン−奪還−』“Beyond Skyline”
(2011年公開『スカイライン-征服-』の続編というかスピン
オフ。オリジナルはSPEから盗作で訴えられたものの、そ
の嫌疑も晴れて低予算ながら全米興行で2000万ドルを超える
ヒット作となった。そして本作では、前作と同じエイリアン
に襲われた人々の果敢に立ち向かってして行く姿が、アメリ
カだけでなく東南アジアの仏教遺跡や密林を背景に展開され
る。出演は、2017年4月紹介『パージ』シリーズなどのフラ
ンク・グリロ、2011年6月紹介『復讐捜査線』などのボヤナ
・ノヴァコヴィッチ。他に2013年4月紹介『マーヴェリック
ス』などのジョニー・ウェストン、2012年8月紹介『ザ・レ
イド』などのイコ・ウワイスとヤヤン・ルヒアンらが脇を固
めている。脚本と監督は、前作では製作と脚本を務めたリア
ム・オドネル。前作は侵略物なのにマンションの一室が舞台
というものだったが、本作はストレートだ。公開は10月13日
より、東京は新宿バルト9他で全国ロードショウ。)

『ギャングース』
(2016年1月紹介『太陽』や2017年9月24日題名紹介『ビジ
ランテ』などの入江悠監督で、講談社「モーニング」連載、
肥谷圭介×鈴木大介による漫画の映画化、少年院育ちで世間
を生きる術が犯罪しかないと思い込む少年3人組が、振り込
め詐欺などを行う卑劣な犯罪集団を相手にした現金強奪計画
を敢行する。出演は高杉真宙、加藤諒、渡辺大知、林遣都、
伊東蒼。他に金子ノブアキ、MIYAVI、篠田麻里子、般若、勝
矢らが脇を固めている。入江監督の作品としては、『ビジラ
ンテ』に繋がる社会の裏側を描いた作品だが、主人公が若者
な分、少し軽量というか監督曰く「キラキラした映画」にな
っている。しかしそれが小気味よく描き切れているのも本作
の良いところだろう。映画の最初の強盗シーンで少し演出ミ
スはあったが、満足できる作品だ。でも、そろそろ『太陽』
みたいな作品も観せて欲しいかな。公開は11月より、東京は
TOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショウ。)

『彼らの原発』
(上映前の挨拶で「自分は反原発です」と言い切った川口勉
監督が、2011年以降の再稼働に揺れる福井県おおい町を取材
した作品。監督自身は反原発だが、作品はそちらに偏ること
なく、平坦な目で原発問題を描いている。それは原発でしか
生き延びられない過疎の町の現実であり、日本の各地が抱え
ている問題だろう。そこに原発が立地されたというある種の
幸運が描かれているとも言える。勿論それは傍目からは歪ん
だ幸運である訳だが。そうも言っていられないのが彼らの現
実なのだ。そんな地元の賛成派、反対派の声がまんべんなく
取材されており、それは福島のような特別な事情がない分、
より鮮明に問題点が描かれているとも言える。ただし本作は
2014年の取材で、大飯原発は3、4号機が既に再稼働され、
1、2号機は廃炉が決まっているもので、その辺を踏まえて

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08月05日(日)
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