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On the Production
by 井口健二
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■名前(縄文に、仮面ライダーA、カメラを止、母という名、ルイ14世、明日にかける、バトル・S、レディ・B、30年後、犬ヶ島、ゼニガタ)
は、20年前の花火大会の朝に弟を失い、当時のバブル経済の
崩壊と共に家族も崩壊した過去を背負って生きていた。そん
な彼女が全力で走り抜けると願いが叶うという橋の伝説を実
行、彼女は花火大会の前日にやって来るが…。脚本と監督は
2015年『向日葵の丘 1983年・夏』などの太田隆文。監督は
バブル期への特別な思いがあるらしく、本作でもその思い出
に浸るようなシーンが羅列される。ただ遠景で風力発電用の
風車が林立しているのは違うと思うが。いずれにしてもその
ノスタルジーに共感できる人には喜ばれるのだろう。しかし
SFとしての共感はあまりなかったかな? 公開は6月30日
より、東京は有楽町スバル座他で全国順次ロードショウ。)

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
                “Battle of the Sexes”
(1970年代初頭のテニス界において、大会のオープン化に伴
う賞金制度での男女間不平等を訴え、「女子テニス協会」の
設立などに貢献したプロテニスプレイヤー、キング夫人。彼
女が1973年にボビー・リッグスとの「性差を超えた戦い」を
行うまでを描いた実話に基づく作品。内容には多少微妙な点
も含むが、作品はそれらを超えた社会問題として描き切られ
ている。出演はエマ・ストーンとスティーヴ・カレル。カレ
ルのコメディは日本人にはなかなか難しいが、本作はそれを
逆手に取って巧みにクライマックスを盛り上げる。製作はダ
ニー・ボイル、脚本は『スラムドッグ$ミリアネア』のサイ
モン・ボーフォイ。監督は『リトル・ミス・サンシャイン』
のヴァレリー・ファリス&ジョナサン・デイトン。コンペテ
ィションを描くには最強のチームだ。公開は7月6日より、
東京はTOHOシネマズ・シャンテ他で全国ロードショウ。)

『レディ・バード』“Lady Bird”
(2017年4月16日題名紹介『20センチュリー・ウーマン』な
どの女優で、脚本家でもあるグレタ・ガーウィグが、自作の
脚本を初の単独監督でオスカー候補になった作品。監督の出
身地であるカリフォルニアの州都サクラメント市を舞台に、
東部の大学への進学を望む女子高生の最終学年での暮らしぶ
りが描かれる。出演は、2007年12月紹介『つぐない』などの
シアーシャ・ローナン。他に『トイ・ストーリー』シリーズ
のアンディの母親役でも知られる舞台女優のローリー・メト
カーフらが脇を固めている。サクラメントは上記のように州
都であり、都市圏人口は全米27位という街だが、監督の故郷
に対するの印象は違うのかな? 映画では「それどこ?」と
言われて慌ててサンフランシスコと言い直すシーンも出てく
る。でも監督の故郷に対する愛情はしっかりと伝わってくる
作品だ。公開は6月1日より、全国ロードショウ。)

『30年後の同窓会』“Last Flag Flying”
(2014年10月紹介『6才のボクが、大人になるまで。』など
のリチャード・リンクレーター監督が、同作でも感じさせた
国家への不信感を露わにした作品。試写会では馬鹿笑いして
いる奴もいたが、僕には監督の想いの痛々しさしか感じられ
なかった。出演は同じ日2本目だったスティーヴ・カレル。
ヴェトナム戦争で不名誉除隊だった主人公が、30年ぶりに戦
友に会いに来る。それはイラクで戦死した息子を共に弔うた
めだった。しかし基地で遺体を見た彼はアーリントン墓地へ
の埋葬を拒否し、故郷へ連れ帰ることにする。その遺体には
息子の戦友が付き添い。そこで真相が明らかになる。原題の
後ろの2語は国旗掲揚の意味だが、その前にLastと付くのが
痛々しい。共演はブライアン・クランストンとローレンス・
フィッシュバーン。公開は6月8日より、東京はTOHOシネマ
ズ・シャンテ他で全国ロードショウ。)

『犬ヶ島』“Isle of Dogs”
(2012年12月紹介『ムーンライズ・キングダム』などのウェ
ス・アンダースン監督が、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受
賞。近未来の日本を舞台に、少年と犬との交流を描いた人形
アニメーション作品。犬との共存が長く続いていた日本の大

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04月22日(日)
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