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On the Production
by 井口健二
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■イカリエ−XB1(私は絶対、聖なる、名もなき、いつだって、ミスミソウ、ブラックP、ロンドン、29歳、大和、熊野、フェリーニ、友罪)
で評価されたのだろうが、映画化ではそれが多少平板かな。
過去に観たようなシーンばかりで、そこに工夫があれば、そ
れなりの評価が出来たと思うのだが。公開は4月7日より、
東京は新宿バルト9他で全国ロードショウ。)

『ブラックパンサー』“Black Panther”
(『アベンジャーズ』に繋がるマーヴェル発の新ヒーロー。
2016年『シビル・ウォー』にも登場したが、本作はその起源
を描く。その始りはアフリカの奥地。遥か昔に落下した隕石
に含まれる強力なパワーで超文明国になったワカンダ。しか
しその実態はベールの陰に隠されていた。そして世界にスパ
イを放ち、国益だけを護って来たが…。元スパイの男が悪に
走り、その脅威に若き国王が立ち向かう。出演は2013年9月
紹介『42』などのチャドウィック・ボーズマン。他にマイ
ケル・B・ジョーダン、ルピタ・ニョンゴ、マーティン・フ
リーマン、アンディ・サーキスらが脇を固めている。監督は
2015年『クリード チャンプを継ぐ男』などのライアン・ク
ーグラー。監督、出演者共にブラックパワー満載の作品でア
メリカでの評価は最高のようだ。公開は3月1日より、東京
はTOHOシネマズ日本橋他で全国ロードショウ。)

『ロンドン、人生はじめます』“Hampstead”
(原題のハムステッドは、ネットで調べるとロンドン北部の
古くから文化人が多く住む高級住宅地だそうで、映画で観た
感じはかなり郊外かと思ったがそうでもないらしい。主人公
はそんな土地のアパートで一人暮らしの初老の女性。住居は
亡き夫が遺したものだが、家賃も高く、老朽化した家屋の修
繕費もままならない。そんな時、ふと見かけたホームレスの
男性に惹かれた彼女は、勝手気ままな彼の暮らしにのめり込
んで行くが…。物語は実話に基づくそうだが、結構物事が上
手く行ってしまう夢のようなお話だ。出演はダイアン・キー
トンとブレンダン・グリースン。監督は2010年『新しい人生
のはじめかた』などのジョエル・ホプキンス。法整備のあり
方が日本と違うのはうらやましかったが、実は環境問題はそ
のままで、そこがきょっと気になったかな。公開は4月21日
より、東京は新宿武蔵野館他で全国ロードショウ。)

『29歳問題』“29+1”
(30歳が目前の女性の姿を描いた香港映画。元は本作で監督
デビューのキーレン・パンが12年間演じ続けてきた一人芝居
の舞台劇だそうで、仕事上のキャリアもあり、長年付き合っ
てきた彼氏もいて公私共に充実していたはずの女性が、仮住
まいで暮らし始めたアパートの住人が残した日記を読む内に
人生観が変わって行く。出演は2014年『西遊記 はじまりの
はじまり』などのクリッシー・チャウと、2013年『コールド
・ウォー 香港警察 二つの正義』などのジョイス・チェン。
30歳目前の焦りというのは男性の自分はあまり感じなかった
が、女性は違うのだろう。そんな気持ちが男性にも判り易く
描かれていた。ただ後半の展開が僕には強烈すぎて、これで
は本来のテーマが飛んでしまうような感じもしたが、この衝
撃も作品の評価の一部なのだろう。公開は5月より、東京は
YEBISU GARDEN CINEMA他で全国順次ロードショウ。)

『大和(カリフォルニア)』
(神奈川県大和市と綾瀬市に跨る厚木海軍飛行場。通称厚木
基地の周辺を舞台に、その爆音絶え間ない土地で暮らしなが
らラッパーを目指す少女と、その母親の恋人=米軍人の娘と
の交流を描いた作品。題名は、基地のフェンスの手前は大和
市だけれど向こうは合衆国という意味で、実は自分の生まれ
が近隣の平塚市だったもので、この話は子供の頃に聞いてい
た。当時の説明では、太平洋艦隊の郵便物の合衆国内での取
り纏めがサンフランシスコで、宛名にそう書くということだ
ったが、真偽のほどは知らない。僕自身が子供の頃に基地へ
見学に行ったこともあるし、七夕には米軍人の家族を家に招
いたこともある。そんな環境で育ったからこの作品を見てい
ると、時代は変わったけれど感情は変わっていないという感

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02月25日(日)
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