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On the Production
by 井口健二
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■ジオストーム、風の色(東の狼、ラッキー、デトロイト、あなたの旅立ち、曇天に笑う)
そして共演者には“Twin Peaks”監督のデヴィッド・リンチ
を始め、1970年『エイリアン』でもスタントンと共演したト
ム・スケリット、1960年代TVシリーズ『タイムトンネル』
のジェームズ・ダーレンなど懐かしい顔ぶれが並んでいる。
監督は2007年4月紹介『ゾディアック』などの俳優でもある
ジョン・キャロル・リンチ。公開は3月17日より、東京は新
宿シネマカリテ他で全国順次ロードショウ。)

『デトロイト』“Detroit”
(2010年2月紹介『ハート・ロッカー』や、2013年1月紹介
『ゼロ・ダーク・サーティ』などで鮮烈な印象を残すキャス
リン・ビグロー監督が、1967年にミシガン州で発生した黒人
暴動と、その背後で起きた実際の事件を描いた作品。暴動の
シーンの多くは当時のニュース映像が援用され、本作では主
にその陰に隠されたアルジェ・モーテル事件が再現される。
そこでは黒人差別に基づく白人警官による違法な権力行使が
描かれる。それはソリッド・シチュエーション・ホラーにも
匹敵する恐怖に満ちたものだ。正直に言って監督の前記2作
品は白人社会の体制に沿ったものとも取れたが、本作では最
終的な結論も含めて白人社会を告発するものになっている。
それは日本人の我々には中々理解し難いものだが、本作では
そこにホラー的な演出を持ち込むことで感覚的な理解も得ら
れるものだ。公開は1月26日より、全国ロードショウ。)

『あなたの旅立ち、綴ります』“The Last Word”
(2009年5月紹介『ココ・シャネル』などのシャーリー・マ
クレーンと、2015年10月紹介『ネバーランド、夢の始まり』
などのアマンダ・セイフライドの共演で、老境の女性と新進
文筆家の交流を描いた作品。登場するのは、成功者だが周囲
に友人のいない老女。そんな女性がふと目にした新聞の追悼
欄には、知人の生涯が美辞麗句で書かれていた。しかしその
内容を承服できない老女は新聞社に乗り込み、自分の追悼記
事を先に書かせようとする。その求めに追悼記事の執筆者の
女性が応じたものの、取材を始めると老女の周囲には彼女を
良く言う人物が存在しなかった。それを知った老女は、自ら
の生涯を輝かしいものにするための行動を開始するが…。監
督は2002年8月紹介『プロフェシー』などのマーク・ペリン
トン。本作は随分と方向性の違った作品だ。公開は2月末〜
3月上旬に、東京はシネスイッチ銀座他でロードショウ。)

『曇天に笑う』
(滋賀県出身の漫画家唐々煙が故郷の琵琶湖を背景に描き、
すでにTVアニメ化や舞台化もされているコミックス作品の
実写映画版。300年に1度現れて災害をもたらすとされるお
ろちの復活を巡って、その阻止を宿命とされた3人兄弟が活
躍する。出演は福士蒼汰、中山優馬、若山耀人が扮する3兄
弟に、桐山漣、古川雄輝、東山紀之。さらに大東駿介、小関
裕太、市川知宏、加地将樹らが脇を固めている。監督は『踊
る捜査線』シリーズなどの本広克行。脚本は2016年12月18日
題名紹介『LUPIN THE VRD 血煙の石川五ェ門』
などの高橋悠也が担当。主題歌をサカナクションと、劇中の
祭りシーンにも登場の和太鼓バンドGOCOOが提供している。
VFX多用のアクション作品だが、福士らの剣戟シーンもそ
れなりに工夫されている。ただ上映時間94分はちょっと物足
りないかな。周囲の状況などをもう少しじっくりと見たかっ
た。公開は3月21日より、全国ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
        *         *
 なお、今週は筆者が木曜日の夜に強烈な腰痛に見舞われ、
金曜日に予定していた
『しあわせの絵の具』“Maudie”
『ハッピーエンド』“Happy End”
『ANIMAを撃て!』
の試写を観逃した。後日観られるよう算段するつもりだが、
出来なかった場合に備えタイトルだけ記録しておく。

01月14日(日)
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