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On the Production
by 井口健二
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■花筐、DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団
百音という人の脚本を、前々回紹介『リンキング・ラブ』な
どの金子修介監督で映画化した広島県が舞台のご当地作品。
金子監督のご当地ものでは2013年に香川県が舞台の『百年の
時計』という作品も観ているが、観光名所が出て来たりの構
成はそつなく作られている作品だ。テーマ的には広島県庁が
実際に行っている事業に基づくそうで、そのPRとしては充
分な作品だろう。そこにちょっと未来的アイデアが挿入され
ているのは、金子監督らしさかな。出演は風間杜夫、片瀬那
奈。他に藤田朋子、八嶋智人、白石美帆、城みちるらが脇を
固めている。公開は11月18日より、東京は角川シネマ新宿他
で全国順次ロードショウ。)
『ローガン・ラッキー』“Logan Lucky”
(2013年7月紹介『サイド・エフェクト』以降、主にテレビ
界で活動してきたスティーヴン・ソダーバーグ監督が、新人
脚本家レベッカ・ブラウンのオリジナルシナリオを得て映画
界に復帰した作品。NASCAR開催中のレース場を舞台に、アン
ラッキー続きだった兄弟が売店の売上金を一気に奪う大胆な
計画に挑む。そこに服役中の爆破のエキスパートらが絡み、
運任せの作戦は始まるが…。出演はチャニング・テイタム、
アダム・ドライヴァー、2015年6月紹介『マッドマックス』
などのライリー・キーオ。さらにダニエル・クレイグ、セス
・マクファーレン、ケイティ・ホームズらが登場。大胆な計
画は『オーシャンズ』を髣髴とさせるかな。公開は11月18日
より、東京は新宿バルト9他で全国ロードショウ。)
『リングサイド・ストーリー』
(2017年9月3日題名紹介『光』などの瑛太と3月12日題名
紹介『猫忍』などの佐藤江梨子のW主演で、格闘技を題材に
した作品。売れない俳優と彼を陰で支える女性が、ふとした
ことから格闘技の世界に紛れ込む。そこに居場所を見つける
女性と、ライヴァル心を燃やす俳優だが…。田中要次、前野
朋哉、余貴美子らに加えて、武藤敬司、武尊らの本物の格闘
家も登場する。実は先日サッカー場の場外イヴェントでプロ
レス興行の準備の様子を目撃して、本作でも同じ作業が行わ
れていることに感心した。それくらいに本物の格闘技も観ら
れる作品で、物語は「髪結いの亭主」だが、細かいところも
良く配慮されているのは気分の良い作品だ。公開は10月14日
より、東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『ヒトラーに屈しなかった国王』“Kongens nei”
(1905年、スウェーデンとの同君連合を解消したノルウェー
に国王として招かれたデンマーク王家次男のホーコン7世。
立憲君主制で直接国政には関れない中で、先にデンマークの
兄王を屈服させたヒトラーの要求を撥ね退け、徹底抗戦の道
を貫いた。そのナチスドイツ艦船による領海侵犯に始まる開
戦から、オスロの王宮を脱出し逃亡を続けながらのドイツ公
使との交渉などが描かれる。抗戦による国民の被害は大きか
ったと思うが、尊厳を守ったことが今も尊敬を集める所以だ
ろう。出演は、2015年11月紹介『スペクター』などのイェス
パー・クリステンセン。他に2017年7月30日題名紹介『ハイ
ジ』などのカタリーナ・シュトラー。公開は12月より、東京
はシネスイッチ銀座他で全国順次ロードショウ。)
『YARN 人生を彩る糸』“Yarn”
(世界の編み物事情を追ったドキュメンタリー。日本人女性
を含む各国の「編み物作家」と呼べるような人たちが取材さ
れている。ただ内容は、作品の紹介より各作家の編み物への
思いみたいなものが描かれており、それはその作家のファン
には貴重だろうが、傍目から見ると良くは理解できないもの
だ。そんな中では堀内紀子という人の真田紐のような太くて
丈夫な紐を編んだ、子供の遊具のような作品に興味を惹かれ
たが、それも作品自体はあまり紹介されず、多少物足りない
感じだった。日本でも「編み物王子」と呼ばれる人もいるよ
うだから、多分そういう人たちが対象の作品だろうが、部外
者にはちょっと判り難かった。公開は12月上旬、東京は渋谷
イメージ・フォーラム他で全国順次ロードショウ。)

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10月01日(日)
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