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On the Production
by 井口健二
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■リンキング・ラブ
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『リンキング・ラブ』
平成『ガメラ』3部作や、2006年6月及び10月紹介『DEATH
NOTE』前後編などのSF大作を手掛けた金子修介監督による
タイムトラヴェルをテーマにした作品。
主人公は女子大生。母親はアパレルメーカーの2代目社長で
家は裕福だが、婿養子の父親は2Dアイドルに夢中で夫婦仲
は破綻している。そんな鬱憤を主人公はラップバトルで晴ら
していたが…。
ある日、帰宅した彼女が見たのは離婚して家を出て行く母親
の姿だった。そして離れの自分の部屋に閉じこもった彼女の
前に、母親に貰った古いランプからジンが現れ、彼女の3つ
の願いを叶えると言って、25年前の過去に送ってしまう。
そして大学の時間旅行の講義で目覚めた彼女は、両親の仲を
強固なものにするべく行動を開始するが…。
出演はAKB48の田野優花と、2017年4月2日題名紹介『22年
目の告白』などの石橋杏奈。他に2013年『テニスの王子様』
の白洲迅、2016年12月18日題名紹介『ゾウを撫でる』などの
中尾明慶。さらに落合モトキ、加藤諒、木下隆行、渡辺徹、
浅田美代子、西村まさ彦らが脇を固めている。
原作は萩島宏という人のネット小説だそうだが、この人物は
AiiAというアパレル会社の創業者で、この会社は近年パズル
雑誌なども出しているようだ。そして本作では製作総指揮も
務めている。
ということで、原作者が『ガメラ』や『DEATH NOTE』を好き
だったのかな? いずれにしても金子監督は、好みの若手女
優も沢山起用して、自由にやらせて貰えたというところかも
しれない。
とは言うものの、お話は男子高校生→女子大生、ロカビリー
→ラップという感じで、過去に戻った主人公が両親の出会い
を演出しようとする…、これはまんま某有名SF映画に見え
る。さらに忘れたスポーツ・アルマナック→スマホが歴史を
改悪してしまう話まで付いてくる。
この他、両親の関係がぎくしゃくすると主人公の身体が消え
始めたり、さらに改悪された未来に戻った主人公が見る風景
など…。これを換骨奪胎と言えるかどうか、かなり判断には
苦慮するところだ。
でもまあAKBの楽曲が多数使われて、主演の田野優花は別
にしても他の若手女優たちがそれをしっかりと踊っている映
像は、それが本作の価値と言えるものにはなっている。この
部分は某有名SF映画にはなかったシーンだ。
公開は10月28日より、東京は丸の内TOEI2 他で全国順次ロー
ドショウとなる。
この週は他に
『密偵』“밀정”
(1920年代、日本統治下の朝鮮半島を舞台にしたサスペンス
アクション。武装独立運動団体「義烈団」を巡って朝鮮人だ
が日本警察の警官になっている男に組織の主謀者を探れとい
う命が下る。その男は組織に近づき二重スパイとしてその中
核に迫るが…。爆弾テロ計画を背景に緊迫したドラマが展開
する。出演はソン・ガンホと2017年7月紹介『新感染』など
のコン・ユ。日本から鶴見辰吾。さらにイ・ビョンホンも登
場する。監督は2011年『悪魔を見た』などのキム・ジウン。
日本統治下で暴力描写などはあるが、特に日本を悪く描いて
はおらず。歴史的背景として理解できるものになっている。
主には朝鮮人同士のドラマを描いた作品だ。公開は11月11日
より、東京はシネマート新宿他で全国ロードショウ。)
『勝手にふるえてろ』
(2003年『蹴りたい背中』で芥川賞を受賞した綿矢りさ原作
の映画化。恋愛経験なしで大人になった女性が、勤務先の同
僚に告白され、今も脳内恋愛を続けていた高校時代の憧れの
男子への思いを断ち切るべく、飛んでもない手段で同窓会を
計画するが…。現実と妄想の間で揺れ動く、主人公の尋常で
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09月24日(日)
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