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On the Production
by 井口健二
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■time slipという言葉について、丸
かった。その馬を弁護士の道を捨てて幼い頃からの夢に挑む
主人公が調教する。その成果は直に表れ始めるが…。道は遥
かに遠かった。脚本と主演は2001年11月紹介『ヴィドック』
などのギョーム・カネ、監督は2009年5月紹介『ココ・シャ
ネル』などのクリスチャン・デュゲイ。監督は馬場馬術の元
カナダ代表だそうで、経験者のカネと共にその魅力を最大限
に描いている。2017年5月21日付「フランス映画祭」で紹介
『夜明けの祈り』のルー・ドゥ・ラージュらが共演。公開は
初夏、東京はシネマート新宿他で全国順次ロードショウ。)
『旅する写真家レモン・ドゥパルドンの愛したフランス』
                 “Journal de France”
(報道者として世界中の様々な出来事の現場に立ち会うと共
に、ドキュメンタリー監督としても数多くの作品を発表して
きた写真家が、倉庫に眠る膨大なフィルムを妻で録音技師の
クローディーヌ・ヌーガレと共に纏めた作品。その中には、
大統領選挙の舞台裏やパリ市の裁判所での審理の模様など、
普通ではちょっと入れない場所での記録も含まれている。そ
の一方で機材をバンに積み込んだだけの1人旅で写真家が行
う独自の思想に基づく撮影の様子なども織り込まれ、写真家
のいろいろな側面が観られる作品にもなっている。それにし
ても最近写真家の人物ドキュメンタリーが多いように感じる
が、何故なのだろう。公開は9月、東京は渋谷のシアター・
イメージフォーラム他で全国順次ロードショウ。)
『便利屋エレジー』
(2013年から作品を発表している土田準平監督の第3作にし
て今年2本目の作品。監督は昭和時代のテレビドラマのテイ
ストを志向しているようで、本作はそんな感じで観ると理解
しやすい作品になっている。その本作に登場するのは家庭づ
くりに失敗した男性が営む便利屋。あまり仕事はなく、保育
園のイヴェントの手伝いなどもしている。そんな時、園児の
1人がお父さんに会いたいと言い出す。その仕事を受けるこ
とにした便利屋だったが…、両親の離別には深い事情があっ
た。出演は鈴木貴之、ダレノガレ明美、寺井文孝。他に風見
しんご、麻木久仁子らが脇を固めている。お話は悪くはない
が、もう一捻りくらい欲しいかな。公開は6月24日より、東
京は池袋シネマ・ロサ他で全国順次ロードショウ。)
『彼女の人生は間違いじゃない』
(2003年11月9日付「東京国際映画祭」で紹介『ヴァイブレ
ータ』などの廣木隆一監督による出身地福島県を舞台にした
作品。主人公は、原発避難の仮設住宅で父親と2人暮らしの
女性。彼女は市役所に勤務しているが、週末になると英会話
の勉強と称して夜行バスで上京し、デリヘルのアルバイトを
している。そんな主人公を中心に歪み切った福島の今が描か
れる。福島問題は関心があるし、その現実が出身者の目線で
語られる。その気持ちは理解するし、監督としてやらざるを
得ない作品だろう。それを監督の守備範囲に引き込んで描い
ている訳だが、何か監督自身も気持ちの整理がついていない
ような、そんな不安感にも襲われた。公開は7月15日より、
東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『ボン・ボヤージュ〜家族旅行は大暴走〜』“A fond”
(昨年『世界の果てまでヒャッハー!』という作品が日本公
開で話題になったニコラ・ブナム監督の最新作。父親が新車
を買ってバカンス旅行に出掛けた一家が、高速道路でとんで
もない事態に襲われる。フランス製のアクション映画は近年
目覚ましいが、コメディは昔はそうでもなかったが最近は何
かピントが合わず、観ていて苛々が先に来ることが多い。本
作もそんな感じだったが…。それが高速道路に入った辺りか
ら様相が一変した。それは見事なアクションコメディで切れ
味も良く、心の底から楽しませて貰った。シチュエーション
は現代への皮肉にも取れ、事態がエスカレートして行く様も
これは有りそうだ。公開は7月22日より、東京はヒューマン
トラストシネマ渋谷他で全国順次ロードショウ。)

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06月04日(日)
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