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On the Production
by 井口健二
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■ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス、ジーサンズ はじめての強盗、ウィッチ、ゴールド 金塊の行方、約束の地 メンフィス
鉱を発見した地質学者の男を訪ねる。その男も以前手にした
金は使い果たしていたが、最近見つけた奥地の土地が有望だ
と言い切る。
そして何とか資金を調達して掘り出したサンプルは、過去の
全世界の金の総産出量に匹敵する巨大金鉱の証明だった。そ
の情報は直ちに世界を駆け巡り、主人公の会社の株価は天井
知らずで上がり続けるが…。
出演は、製作も兼ねる2014年11月紹介『インターステラー』
などのマシュー・マコノヒー、2013年1月紹介『ゼロ・ダー
ク・サーティ』などのエドガー・ラミレス、2012年1月紹介
『ヘルプ・心がつなぐストーリー』などのブライス・ダラス
・ハワード。
監督は、2005年12月紹介『シリアナ』などのスティーヴン・
ギャガン。脚本は、2001年『トゥームレイダー』以来の劇場
作品となるパトリック・マセットとジョン・ツィンマン。脚
本家2人は主にテレビの仕事をしているようだ。
基となっている事件は比較的最近のもので、主謀者にはイン
サイダー取引などの罪が課せられたようだ。そこで本作では
背景を1980年代にしているものだが、終盤のヘリコプターの
下りは実際の事件にもあったものだ。
しかしその事実関係はいまだに謎に包まれた部分のようで、
従って映画のその後の展開は創作されたものと思われる。た
だ映画の中でも主人公は善意で巻き込まれたように描かれ、
全ての仕掛けは地質学者なのかな。
一方、その地質学者はもっと早く終らせるつもりだったが、
主人公が頑固で結局ここまで行ってしまった…、という辺り
の描写が、脚本の妙のようにも感じられた。正しくあったら
痛快という感じの物語だ。
因に、監督のギャガンは2000年『トラフィック』のオスカー
脚本賞受賞者で、製作総指揮には2005年11月紹介『クラッシ
ュ』でオスカー脚本賞受賞のポール・ハギスが名を連ねてお
り、本作では2人は脚本にクレジットされていないが、この
布陣は強力なものだ。
公開は6月1日より、東京は日比谷のTOHOシネマズシャンテ
他で、全国ロードショウとなる。
『約束の地、メンフィス』“Take Me to the River”
アメリカ合衆国テネシー州メンフィス。20世紀中葉には音楽
で隆盛を誇ったこの街に、音楽を呼び戻そうと試みて行われ
たアルバム制作の模様を記録したドキュメンタリー。
メンフィスはエルヴィス・プレスリーの自宅があったことで
も知られる街だが、ここは第2次世界大戦後の一時期には白
人、黒人を区別することなく音楽を創造する街であり、数知
れないミュージシャンがここから世界に羽ばたいた。
さらにはビートルズやローリング・ストーンズ、U2、レッ
ド・ツェッペリンらがこの地でアルバムを制作し、彼ら自身
が新たな音楽性に目覚め、その豊かな音楽性を世界に広めた
場所でもある。
そんな街で過去の隆盛を取り戻すための試みが始まる。それ
はこの街を故郷とするレジェンドのミュージシャンたちと、
この街で生まれた若手のミュージシャンとを世代を越えて集
め、互いにセッションをさせようというものだ。
そこで行われるセッションは9回10曲。そこに参加するのは
ブッカー・T&MG’sや、ザ・ステイプル・シンガーズ、
それにスヌープ・ドッグなどグラミー賞に輝いたり、ロック
の殿堂入りを果たしているレジェンドたち。
そのセッションに、2011年『ハッピー・フィート2』に声優
で参加して話題になったリル・ピーナッツや、2005年『ハッ
スル&フロウ』でオスカー受賞のフレイザー・ボーイ(セド
リック・コールマン)などの若手が参加する。
そこにはレジェンドたちの歴史や思いを若手に伝え、メンフ
ィスの音楽の流れを再興しようという思いもある。そのため
セッションの合間にはインタヴューなども多彩に行われ、そ
れらも収められている。
また2008年に亡くなったアイザック・ヘイズの記念館も登場
し、そこに飾られた1972年『黒いジャガー』のオスカー像を
黒人初というのは1964年『野のユリ』シドニー・ポアチエが
いるので誤りだが、その奥のキャデラックは凄かった。
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05月07日(日)
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