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On the Production
by 井口健二
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■ジェーン・ドウの解剖/アイム・ノット・シリアルキラー、パージ:大統領令、ラプチャー 破裂
ことができたら明確にする」と語っているものだ。
そしてその実験については、このアイデア自体は他にもあり
そうだが、見方を変えると上記の『ジェーン・ドウの解剖』
に通じるところがあるのも面白かった。そのテーマでは他に
も類似する作品はあるはずで、アメリカ人には比較的好まれ
るアイデアのようだ。
公開は6月3日より、東京はヒューマントラストシネマ渋谷
他で全国ロードショウされる。

この週は他に
『夜に生きる』“Live by Night”
(『アルゴ』などのベン・アフレック脚本、監督、主演で、
2010年『シャッター・アイランド』などのデニス・ルヘイン
の原作を映画化した作品。禁酒法時代を背景に、ボストンの
警察官の息子に生まれながら、反発して悪の道に入って行く
男の姿が描かれる。しかもさらなる危険や思わぬ障害など、
政治も絡んで日本人には想像もつかない世界が繰り広げられ
る。共演はエル・ファニング、シエナ・ミラー、ゾーイ・サ
ルダナと旬な女優が顔を揃え。さらにクリス・メッシーナ、
クリス・クーパーらが脇を固めている。正にハリウッド・ノ
アールという感じで、129分の上映時間が短く感じられる作
品だった。公開は5月20日より、全国ロードショウ。)
『ろんぐ・ぐっどばい〜探偵 古井栗之助〜』
(2016年1月紹介『華魂幻影』などの脚本家いまおかしんじ
が、レイモンド・チャンドラー原作、ロバート・アルトマン
監督の1974年作にオマージュを捧げて監督したという作品。
主人公は施設で育った身寄りのない男。探偵を名乗っている
が、施設時代から世話になった女性に裏社会の怪しげな仕事
を斡旋して貰って暮らしている。そんな男に来た新たな依頼
は、自殺した娘に盗まれた500万円を探すというものだった
が…。主演はテレビ『あまちゃん』などの森岡龍。他に蜷川
みほ、手塚夏生、仁科あい。さらに諏訪太郎、松本妃代らが
脇を固めている。原作はハードボイルド小説の名作と言われ
るが、日本の社会でそれを描くのは中々難しそうだ。公開は
5月20日より、渋谷ユーロスペースでレイトショウ。)
『今宵、ほろ酔い酒場で』
(酒場詩人と呼ばれるらしい吉田類が案内役を務める3話の
オムニバス。1話目はアイドルに嫌気がさして逃げてきた若
い女性を巡る話。2話目は妻の帰省中に怪しげな酒場を訪れ
た真面目なサラリーマン。3話目は事業に失敗して行く当て
もなく、故郷の酒を置く酒場にやってきた男。まあいずれも
現代にありそうな話で、登場する酒場もありそうなのかな?
ただ自分も酒を嗜む者としては、ここに登場する人たちのよ
うな飲み方はしないもので、多少違和感を感じて仕舞った。
出演は伊藤淳史、松本妃代、津田寛治。テレビでは『ワカコ
酒』や映画版もある『深夜食堂』など、酒場が舞台の作品は
ブームのようで、この作品もその1本かな。公開は6月10日
より、角川シネマ新宿他で全国ロードショウ。)
『きらめく拍手の音』“반짝이는 박수 소리”
(CODA=Children of Deaf Adults。耳の聞こえない親
を持つ聴者の監督が、両親の姿を追ったドキュメンタリー。
父親は元サッカー選手だそうで、2010年5月紹介『アイ・コ
ンタクト』を思い出した。本作もその作品と同様に、自分が
健常者であると中々知ることのない世界が描かれている。そ
こに僕らはどうしても憐れみを感じてしまい、それではいけ
ないという思いもするのだが、こればかりは仕方がない。た
だ本作ではカラオケのシーンに明らかに別の感動を覚えた。
このような作品を観ることで、少しでも彼らのことを知り、
そこから今、自分が何をするべきかを考える、そこが重要と
思える作品だ。公開は6月より、東京はポレポレ東中野他で
全国順次ロードショウ。)
『ラオス 竜の奇跡』
(史上初の日本・ラオス合作映画とされる作品。田舎の故郷
を出て都会に暮らす若い現代女性が、訪れた観光地のダムで
55年前の内戦の続く時代にタイムスリップする。そこにはダ

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04月09日(日)
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